テストの認識を変える
テストの点数が悪かった場合に、ひとこと言いたくなる気持ちもわかります。そんな時は、自分がどこまで子どもの勉強をサポートしていたかをまず考えてみてください。
小学校で習っているのに・・や宿題はしているでしょ?と思うかもしれませんが、実際は、サポートしていない場合が多いのではないでしょうか?
小学校でもテストの解きなおしの説明があるため、小学校で終わっている、もしくは小学校でやったからという理由で、再度見直すことがないご家庭も多いです。
でもそれはわかったつもりになっている場合がほとんどで、実は抜け落ちている可能性が多い。
テストで間違えたところは定着していない箇所という認識を持ち、間違えた単元は家でも一緒に復習することが大切です。
また、わかっていたけど間違えたという返答が、子どもからくる場合があるかもしれませんが・・・それはわかっていないのと同じと考えて、飛ばさずにしっかりと確認を行いましょう。
テストは結果で一喜一憂するものではありません。今までの勉強が定着しているかを確認するものという考えに切り替えましょう。
点数が悪かった場合は、現在の学習状況の理解度を分析できるものという認識を、親も子も持つことが大切です。わからなかった問題をわかるようにする。この認識を持ち、テストを見ながら子どもと一緒に確認をすることでテストを隠す、見せないという行為がなくなります。
小3の男の子のお話をしたいと思います。
2年生まではテストの点数もそこまで悪くありませんでした。宿題も見ながらなんとかさせていましたし、大手通信教育の勉強も1日10分程度はしていました。
そのため、この点数を取れていれば問題ないと保護者の方も認識していましたが、3年生になり、テストの点数が取れなくなってきました。
漢字が苦手。算数においては、計算は得意だけれど、文章問題ができない。テストの点数も得意な単元は70点に対し、不得意な単元は30点ほど。一度怒ってしまい、それ以来70点以下のテストは隠すようになって・・・。見つけた時は驚いてしまいましたが、このままではいけないと思い相談に来られました。
その子は、「宿題で同じ文字を何度も書いて、手が疲れるし、覚えられない」とのこと。苦手だからやりたくない。漢字の練習が嫌い。漢字については合っているのか判断できないほど崩れている。そのためやり直しが多く、書いても書いてもやり直し・・・。
悪循環な状態ですね。確かに、同じ文字を何度も書く宿題もあり苦行のようだなと思いますし、自分ではとめ、はね、はらいをしているつもりでも指摘される。その結果、漢字が苦手。だからできないし、やりたくない、と。聞いていると嫌になる気持ち、わかります。
ではこの子の場合どうしたか・・・。まず、子どもの意識を変えることを試みました。
最初にしたことは漢字検定。レベルは、2年生レベルの9級から。
えっ?苦手って話しているのに??と思われるかもしれませんね。
お子さんと相談しながら、本人が苦手と思っている漢字が本当にできないのか確かめていい?というところから始めました。その時その子に適しているなと思った方法が、漢字検定だったというわけです。そして、漢字の書く量は少なくてもいい。キレイな文字ではなく丁寧に書く練習をしてみよう、という約束ごとを決めました。結果は満点合格。
今まであんなに注意されていたのに・・・合格できちゃった・・・という感想でした。
それからその子は、漢字検定での賞状がとてもうれしかったようで、宿題は大変だけど、丁寧に書くようになりましたし、それからずっと漢字検定は受けているそうです。
算数の文章問題については、どこに躓いているかを確認するようにしました。そして文章を絵に表す練習をしていきました。すぐに効果は表れませんがそれを続け、また小学校のテストがある前日に市販のテキストを使って勉強をするようにしました。
すると、テスト前に勉強するだけで、テストの点数が伸びたのです。本人も驚いて報告に来てくれました。
やればできる。やらなかったらできない。を体験したお子さんはテストの前に保護者と一緒に勉強をすることをやり始めました。その結果、高学年ではしっかりと点数を取ることができました。
中学生になり、自分の字が読めないことで勿体ないことをしていると気付けたことで、それ以降は気をつけながら丁寧に書いているそうです。今は上位10%に入るくらいの順位まで上がりました。本人もやればできるという自信が付き、勉強への抵抗感はなくなったそうです。
上記については、とても簡潔にさらりと書きましたが、ここまでに、保護者の方の努力がありました。最初は、やはりまじめに取り組まない時もありましたし、反抗的な状態。わからないから教えてもイライラ・・・。そんな状況で怒りが爆発したこともしばしばあり、どうしたらよいかの相談も受けました。その都度、どんな状況か確認し、保護者の方と試行錯誤を繰り返しました。お子さんだけの努力でなく、保護者の方の忍耐と努力があってこその結果だったと思います。
次回は引き続き、実例を交えた勉強のポイントをお話しさせていただきます。
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エイターママ
小5娘の母。元塾講師。