
初産と2人目以降の違い
初産の場合は未知への不安が大きいため、先輩ママの体験談を聞いたり、出産準備クラスに参加したりすることが役立ちます。また、出産後の生活をイメージするため、赤ちゃんのいる友人宅を訪問する機会を作ると良いでしょう。産後の生活について具体的にパートナーと話し合い、育児の分担や家事の協力体制を事前に決めておくことで、見通しが立ち、安心感が生まれます。
また、出産の痛みや流れについて正しい知識を持つことも大切です。バースプランを作成し、どのような出産を希望するか、医療介入についてどう考えるかなど、自分の意思を明確にしておくと良いでしょう。
2人目以降の場合は、上の子のケアと自分の体調管理の両立が課題になります。上の子の一時預かりサービスなどを検討し、自分の休息時間を確保することが大切です。
民間事業だけでなく、区市町村によって、ファミリーサポートなど、様々なサービスもありますので、お住まいの役所の子育て支援センターなどに妊娠中に相談しておくといいですね。なるべく早く仕事復帰をしたい方は、保育園の見学や申し込みなど、身体の楽な時に早めに動くようにすると良いでしょう。
また、上の子に新しい家族が増えることを前向きに伝え、赤ちゃんを迎える準備を一緒にすることで、上の子の不安を軽減できます。「お兄ちゃん・お姉ちゃんになる」ことの特別感を伝え、赤ちゃんが生まれた後も上の子を大切にする時間を作る計画を立てておきましょう。
上の子の年齢によっても対応は変わります。2〜3歳の子どもは言葉で理解できても感情的に不安定になりやすいので、ハグなどスキンシップを多くとり、安心感を与えることが大切です。4歳以上の子どもには、加えて、赤ちゃんのお世話を手伝ってもらうなど、参加意識を持たせると良いでしょう。
また、2人目以降は出産経験があるため、逆にその経験から、前回の出産と比較して不安になることもあります。「前回はこうだったけど、今回はどうなるだろう」という心配が生じやすいので、医師や助産師に相談し、一つひとつ解消していくことが大切です。
マタニティブルーと産後うつの違い
マタニティブルーは妊娠中から産後数日間に現れる一時的な気分の落ち込みで、多くの女性が経験します。一方、産後うつは産後数週間から数ヶ月続く深刻な状態で、専門的な治療が必要なこともあります。
マタニティブルーの症状には、涙もろくなる、不安感、イライラ、疲労感、睡眠障害などがあります。これらは通常、数日から2週間程度で自然に改善することが多いです。
一方、産後うつの症状は、持続的な悲しみや絶望感、強い不安や恐怖、罪悪感、無価値感、食欲や睡眠の大きな変化、赤ちゃんへの関心の喪失などがあります。これらの症状が2週間以上続く場合は、専門家に相談することが重要です。
また、出産後は大脳が4%ほど萎縮するという研究もあり「いつもならこんなドジはしないのに」という事も出てきたり、頭働きが鈍くなったと感じる事もあります。
ただ、1年ほどかけて少しずつ元に戻り、戻った後は更に高いパフォーマンスが出せるとも言われていますので、産後、何か失敗続きなことがあったとしても、自分を責めずに「今はこういうものだ」と気楽に考えておきましょう。
専門家のサポートを受ける時間
次のような場合は、早めに専門家(産婦人科医、助産師、心理カウンセラーなど)に相談することをお勧めします。
・不安や落ち込みが2週間以上続き、日常生活に支障がある
・自分や赤ちゃんを傷つけたいという考えがある
・食欲がなく、体重が急激に減少している
・睡眠障害が続いている
・パニック発作や強い不安発作がある
早期発見・早期対応が、母子ともに健やかな妊娠・出産・育児につながります。
最後に
妊娠中の不安は誰もが経験することです。完璧を目指さず、「今できることを少しずつ」という姿勢で過ごしましょう。そして、周囲のサポートを積極的に受け入れることも大切です。
妊娠・出産・育児は人生の大きな転機ですが、一人で抱え込まず、パートナーや家族、友人、専門家と共に乗り越えていくことで、かけがえのない経験になるはずです。
![ママ広場 [mamahiroba]](https://mamahiroba.com/wp-content/themes/mamahiroba-2024/images/common/logo.webp)
