自分でも気づかなかった気持ち

久しぶりに激しい感情を出したら興奮したせいなのか、沙苗の夜泣きのせいか、私はほとんど眠れずに朝を迎えました。寝不足で泣きはらして酷い顔のうえ、気持ちも落ち込みつつ、いつもの早朝散歩に出かけた私に、みや子さんが「香苗ちゃん!?大丈夫?」と声をかけてくれました。相当ひどい顔なのか、「なんかあった?夜泣き酷かった?」本気で心配そうにしてくれたみや子さんです。

私はみや子さんに、昨晩の出来事を話しました。みや子さんは驚いて「えっ1万円のお酒?ケンカしたって?」私は大泣きしたまま部屋を出てしまったことも正直に話しました。

「喧嘩というか、私が一方的に色々言ってそのまま。何であんなにイライラしたのか分かんなくて。」声をあげて泣いて夫に叫んで、部屋に籠ったまま寝て、それでもやっぱりまだスッキリしないことも話しました。私の話を頷きながら聞いてくれていたみや子さん。

みや子さんに「お酒の値段が高すぎた?」と聞かれましたが、なんか違う。そこにイライラしたのではない気がします。「高かったけど、なんか値段がというより・・・」なんだろう。確かに1万円には驚いたけれど。「買う前に相談して欲しかった?」みや子さんの質問に「それはそう!そうなんだけど・・・」相談してくれてさえいればイライラしなかったのかな。それともやっぱり少し違う気がしました。何だろう、このイライラは。上手く説明できずに悩んでいると、「じゃあ」とみや子さんはまた私に聞きました。

「自由な旦那さんが羨ましかった?」
みや子さんのことばに、私は「あ。」と気付きました。考えもしなかった、羨ましいなんて感情。
すぐにこたえることができず、私はしばらく黙ってしまいました。
後で考えたらなぜイライラして涙が出てしまったのか、と思うこともありますね。初めての育児への責任とプレッシャーに「お母さんだから」とひとりで抱え込んで頑張りすぎてしまっていたのかもしれませんね。
※ストーリーは実体験を元にフィクションを加えた創作漫画です。
登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。
創作漫画としてお楽しみください。
監修・校正:ママ広場編集部 編集:石野スズ
脚本・作画:めめ
のらりくらりと育児をしながら日常のイラストを描く4児の母。