[4]産後の私は夫にモヤる|寝不足も欲しいものも我慢できる。だって私はお母さんになったんだから。

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前回のお話

香苗さんは産後3ヶ月の新米ママ。慢性的な寝不足に耐えながら長女沙苗ちゃんのお世話を頑張っていて、いつも早朝に泣き出してしまう沙苗ちゃんを抱っこして近所を散歩するのが日課になっていました。沙苗ちゃんがどれだけ泣こうが目覚めることなく気持ちよさそうに寝ている夫を横目に、まだうっすらと明るくなり始めて静まり返った早朝の心許なさと自分の心が似ているなと思いながら歩きだすのでした。散歩でたまに会うみや子さんに誘ってもらったコーヒーショップの良い香りと焼きたてパンの話に、行きたいなと思った香苗さんでしたが、育児しかしていない自分のためにお金を使うことに気が引けて咄嗟に断ってしまいました。

1話目から読む

「お母さんだから」という呪縛。

沙苗は抱っこしていないとなかなか寝付けません。寝たかな、と思ってそっと布団に寝かせようとするとまた泣き出して。そのうちミルクの時間、オムツ交換・・・そうしているうちに朝を迎える、の繰り返しです。そんな私と沙苗のすぐ隣では夫がぐっすり眠っています。

沙苗の泣き声を聞きながら、どうしても身体が動かない。心が折れてしまいそうになることもありました。それでも頑張らなくちゃ。私がちゃんと沙苗のお世話をしなくちゃ。そう思っていました。

いつものスーパーへ買い物に行ったある日、キャベツの値段に驚きました。少しずつ値段が上がっているのはもちろん知っているけれど、前より2倍くらいの値段になってる。えー。高いな。どうしよう。

他の野菜も選びながら、やっぱりキャベツ、いやどうしようかとしばらく野菜売り場をウロウロして考え込んでしまいました。

選び抜いて買い物を済ませた帰り道。野菜もお肉も玉子も全部、本当に値上がりしたなぁと、スーパーに並んでいた食材を思い返していました。本当はお菓子とカフェインレスコーヒーを買いたかったけれど、また諦めてしまいました。

欲しい野菜だって、お菓子とコーヒーだって、別に買えないほどではありません。でも、今は働いて稼ぐことなく1日中家に居て、子どものお世話しかしていないのに、自分のものを買ってよいものかという考えがどうしても頭をよぎってしまうのです。

「さーてさなちゃん、帰ってご飯の用意しようね。」と、モヤモヤする気持ちを振り払うように娘に話しかけて帰路につきました。

最近こんなことばっかりだ。やりたい事、買いたいものがあっても自分のためにお金を使っていいのかな、とか、私が頑張らなくちゃ、とか。
でも大丈夫。私はお母さんになったんだ。このくらい我慢できる。全然・・・問題ない。

お母さんになって、我が子の命を預かる責任を感じている香苗さんの気持ちが伝わります。とても大切なことですが、もっとご主人や周りの人に頼っていいんだよ、そして自分に甘くなる時があってもいいんだよ、と伝えてあげたいですね。

※ストーリーは実体験を元にフィクションを加えた創作漫画です。
登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。
創作漫画としてお楽しみください。

監修・校正:ママ広場編集部 編集:石野スズ
脚本・作画:めめ
のらりくらりと育児をしながら日常のイラストを描く4児の母。

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