寒くなると布団からでたがらない子どもに困っています。どうすればスッキリ起きられる?

寒くなると布団からでず、なかなか起きてこないわが子・・・どうしたらサッと起きてくれるんだろう?そんな悩みについて、今回は臨床心理士である、大阪カウンセリングセンターBellflower代表、町田 奈穂さんに対策をお伺いしました。

寒くなると布団からでたがらない子どもに困っています

寒くなると子どもが布団から出たがらない理由のひとつは、部屋と布団の中の温度差にあります。昨今の電気代や灯油の値上がりの影響から、夜寝る際は暖房をつけていても、起きた時にはオフになっていて、部屋が寒いというご家庭も少なくないのではないでしょうか。特に子どもは大人よりも体温が高いため、温度の変化に敏感に反応して布団から出たがらないということがあります。
ですので、まずは部屋をしっかりと温めておくことがおすすめです。他にも、例えば室内用の上着や羽織ものなどを布団の中で着せてから、布団の外へ誘導することで、温度差が若干緩和され動きやすくなるでしょう。
また、朝起きにくい子どもの特徴として睡眠不足ということも考えられます。
個人差はありますが、小学校低学年であれば必要とされる睡眠時間は10~11時間です。小学校6年生であっても8時間半は必要だといわれています。最近は、遊びや塾などの習い事にと多忙な毎日を送るお子さんが非常に多いですので、ぜひ睡眠時間についても考えてみてください。

どうすればスッキリ起きられる?

朝、声をかけた時に無反応であったり、機嫌が悪い、という様子が見られる場合は睡眠不足のサインです。
その場合は、夜早く眠れるように夜の時間の過ごし方を見直しましょう。いつもより1時間早く眠るだけでも様子が変わります。
声をかけると反応して、起きているようだけど布団にくるまって芋虫状態、という子には、部屋を温めるなど、環境づくりが大切です。朝の時間を有意義に過ごせるほうが毎日の満足度を高めてくれます。また、眠っている間に部屋の温度が一定であることは睡眠の質にも大きく影響します。睡眠の質を高めることで、よりすっきりと目が覚めて行動がしやすくなるという効果もあるでしょう。
睡眠の質を高めるには他にもテレビや動画配信サイトをつけっぱなしにしたまま寝ないなどの音の問題や、部屋の電気は夕方から徐々に暗くして、眠る際には電気を消して眠るといった明かりの問題もありますので、ぜひ音と明るさと温度を意識して寝室づくりをしてみてください。

睡眠不足になると、こんな影響も・・・?!

寒さに限らず、子どもにとって睡眠は必要不可欠です。
例えば、日本の子どもを対象として、脳の記憶を司る領域である「海馬の大きさ」を比較したある実験では、しっかりと睡眠をとっている子どもの海馬は睡眠不足の子どもの海馬よりも明らかに大きかったという実験結果も出ています。(出典元:Neuroimage. 2012 Mar;60(1):471-5.)
つまり、寝る時間を削って勉強するよりも、睡眠時間をしっかりと確保して日中に勉強するほうが、将来的にも勉強の効果を最大限発揮できるということがいえるでしょう。
そもそも睡眠の量が確保できていないことには、睡眠の質をいくら高めようとしても十分な効果は得られませんので、まずは十分な睡眠時間をしっかりと確保してあげてください。




執筆者

町田奈穂
臨床心理士・公認心理師

経歴
同志社大学大学院 心理学研究科修了。
在学時より滋賀医科大学附属病院にて睡眠障害や発達障害に苦しむ人々への支援や研究活動を行う。
修了後はスクールカウンセラーやクリニックの臨床心理士を経験。
2020年、父の病気を機に父が経営する機械工具の卸売商社へ入社。
そこで多くの企業のメンタルヘルス問題に直面し、大阪カウンセリングセンターBellflower(大阪府寝屋川市) を設立。
現在は、父の後を継ぎ機械工具の卸売商社の代表を務めるほか、公認心理師・臨床心理士として大阪カウンセリングセンターBellflowerを新規事業とし、支援者支援をテーマとした研究や臨床活動を行っている。

大阪カウンセリングセンターBellflower
https://counseling-bellflower.com/

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