初めて知った義理の両親の人となり

父親の葬儀に来てくれた幼馴染のミホと話していると、「まぁ立派な祭壇」という女性の声が聞こえてきました。褒めていただいているとはいえ、亡き父を偲ぶ周りの雰囲気にそぐわない感じです。振り向くと、声の主は義母。義両親が揃って葬儀に参列してくれていたのでした。
義両親は、「この感じだと、遺産、かなりすごいんじゃないか。シノブさん、一人っ子だったよな」ニヤニヤしながら言う義父に義母も「まぁ見てお父さん。花輪も立派だわ」って・・・それ、今ここで言うこと?とドン引きして固まってしまった私です。

葬儀で失礼な発言をする義両親を前に何も言えずにいると、ナオヤが慌てて「ちょ、母さん!止めてよ!」と言いに来てくれました。すると、取って付けたように義母が「気を落とさないでね。」とひと言。2人とも、こういうタイプの人だったのねと、私は初めて義理の両親の真の姿を見た気がしました。

葬儀が終わっても、母が心配な私はしばらく実家に滞在していました。母は「シノブ、5日間も一緒にいてくれてありがとう。お母さん、もう大丈夫だから。」と逆に私を気遣って言いました。「いつまでも、めそめそしてたらお父さんに叱られちゃうわ。リラのお世話もあるし、もっとしっかりしないと」と愛犬リラを抱いた母は笑顔を作りました。

幼馴染のミホも、しょっちゅう母の顔を見に来てくれました。この日もミホのお母さんと一緒に来てくれていて、「シノブちゃん、お義母さんのことはおばちゃんに任せて」とミホのお母さんが言うと、ミホも「何かあったら連絡するから」と頼もしく、ありがたいことばをかけてくれて、私は嬉しくて泣いてしまいました。

玄関まで見送ったミホが、少し困惑したような、悩んだような顔で沈黙を置いた後、「ちょっといい?」と思い切ったように言いました。そして「シノブの義実家を悪く言いたくないんだけど」と、ミホにしては珍しく言いにくそうに切り出したので、葬儀の時の失礼な態度の義両親を思い出しつつ、私はなにごとかと身構えました。
※ストーリーはフィクションです。 登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。 創作漫画としてお楽しみください。
原案:ママ広場編集部 脚本:船井秋 編集:石野スズ
作画:ポジョ
在宅デザイナーの主婦です。息子と夫、そして猫と暮らしています。
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