前回のお話
育休中に妻のかおりさんに内緒で会社の後輩白石さんの仕事を手伝っていたことがバレてしまった夫のいちろうさんは、かおりさんが産後すぐのワンオペで苦しんでいた一ヶ月前に帰宅もできないほど忙しかったのも白石さんの仕事を手伝っていたからなのかと問われ言葉に詰まります。忙しかったのはかおりさんの言う通り白石さんの仕事を手伝っていたからですが、それを正直に話したら何もかも終わってしまうかもしれないと考えたいちろうさんは「あの時は大きなプロジェクトの担当者が急に辞めることになって人手が足りなかった」と嘘をついてしまいます。
夫が育児をなめくさってる件［８７］
かおりさんに嘘をついてしまい、いちろうさんが罪悪感でいっぱいになっていると、テーブルの上のベビーモニターから寝室で眠っているこはるちゃんの声が聞こえました。
モニターの画面に目を移すと、すやすやと穏やかな表情で眠っている天使のようなこはるちゃんが映っています。
「ふにぃむにゃほぁん」寝言を言いながら眠る可愛いこはるちゃんを見ていると、いちろうさんは自然と涙が溢れてきました。
いちろうさんの頭には、慣れない育児に奮闘しながらこはるちゃんとの絆を深めていった幸せな日々の記憶がよみがえります。
「わぁああああーーーーっ！！」いちろうさんは溢れる涙を止めることができません。
妻のかおりさんが産後で心身ともに辛い最初の一ヶ月間に夫であるいちろうさんが手を差し伸べたのは、かおりさんではなく会社の後輩白石さんでした。かおりさんやこはるちゃんを失いたくなくて咄嗟にかおりさんに嘘をついてしまったいちろうさんですが、清らかなこはるちゃんを見てそんな自分が情けなくなったのでしょうか。いちろうさんのこの涙にはたくさんの後悔の念がこもっていそうです。
※ストーリーはフィクションです。
登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。
創作漫画としてお楽しみください。
［作者］くまお
二人の女の子を育てているパパです。
育児、日常、オリジナル連載などいろんなマンガを描いています。
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