楽しそうにケーキを選ぶ義兄と妻を、怪訝そうな表情で見つめる夫

ある晩、仕事から帰宅するなり、ナオキさんは私にケーキの入った箱を差し出します。知らない間に距離が縮まったことに焦ったのか、トモヤとキョウカさんは目を丸くして驚いた表情を浮かべます。トモヤに至っては何か勘違いしているらしく、「アヤノ、なんで兄さんに・・・」と、言葉を失ったまま口をパクパクさせる始末。私は「たまたまナオキさんの会社の近くに話題のケーキ屋さんがあってお願いしてただけ」と、何でもないことのように答えたのでした。
「2つ入っているけど、どっちがいいですか?」「え~じゃあ桃のタルトがいいです」楽しそうにケーキを選ぶ私たちを、トモヤとキョウカさんは怪訝そうな表情で見つめます。

「じゃ、ベリーは俺がもらいます」そう言うナオキさんに、私はにこっと笑いかけ「紅茶入れますね!」と明るく返しました。キッチンへ向かう前に、念のためトモヤとキョウカさんにも「紅茶飲みますか?」と声をかけてみましたが、どうやら2人はいらないみたいです。

すると、急に距離が縮んだ私とナオキさんが気になったのか、キョウカさんが引きつった笑顔で「それより、2人はいつそんなに仲良くなったの?」と探るように聞いてきました。平静を装ってはいるものの、内心では相当気になっている様子が伝わってきます。

「は?俺が誰と仲良くしようとお前には関係ないだろ」威圧的な態度をとるナオキさん。キョウカさんは一瞬言葉に詰まりながらも、「・・・トモヤには関係あるわ」と小さく言い返しました。一触即発の空気を感じとった私は、2人の間に割って入ると「いえほんと偶然、今日就職活動中に街でバッタリ会って、就職祝いでいただいたんです」と笑顔で取り繕います。

「就職先もう決まったの!?」目を丸くするトモヤに私はへへっと頭をかきながら「うん、ちょっとここからは遠いんだけどね」と答えました。実は働くと決めてから、育児の合間を縫って就職活動を始めていたのです。ありがたいことに話はとんとん拍子に進み、ちょうど今日、採用の連絡をもらったばかりでした。「どうして教えてくれなかったんだよ~」拗ねたように言うトモヤに、私は「驚かせたくて」と少し照れながら答えました。
急に距離が縮まったアヤノさんとナオキさんの様子が気になったのか、「いつそんなに仲良くなったの?」と探るように問いかけるキョウカさん。トモヤさんも2人の関係を疑っているのか、落ち着かない様子です。自分たちはパートナー以外の相手と親密な関係を築いているにもかかわらず、いざ自分が蚊帳の外に置かれる立場になると急に気になり出す・・・どこまでな身勝手な2人。正直呆れてしまいますよね。
※ストーリーはフィクションです。登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。創作漫画としてお楽しみください。
原案:ママ広場編集部 脚本:のきわだ 編集:石野スズ
作画:まりお
2児の母です。
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義母がトモヤに肩入れするのは、ナオキと血が繋がってないからとか?(ナオキとトモヤは異母兄弟?)
家の権利がナオキに行ったという所から、何かしら複雑な家族関係を疑ってしまいます
同じ保育園の方が送迎しやすいとは言ってましたが、アヤノさんが送迎するとは言ってませんね。
義母さんとキョウカさん、自分がいかに厚かましかったかを省みる機会です。
夫は…遠くない将来、緑の紙を見て慌てふためくでしょうね。
全方向にいい顔なんてできないですよ。