[2]弟優遇母|受験生の姉が欲しい電子辞書より赤点ギリギリの弟に新しいゲームを買ってあげたい母

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前回のお話

進学校に通い、成績優秀な高校3年生のサキさんは、おとなしくてしっかりしたタイプ。大学受験を控え、毎日一生懸命勉強していました。サキさんの2つ年下の弟シュウトさんは近所の高校に通い、サキさんとは正反対の元気でノリが良いタイプです。2人の母親は、とにかくシュウトさんのことが可愛くて仕方がない様子。毎日のお弁当はシュウトさんの分だけきれいに詰めて準備してから、いつまでも寝ているシュウトさんを起こしに行くのが日課です。サキさんは、残り物を自分で詰めます。別の日、テストの結果が良くて嬉しいサキさんが帰宅して母親に話そうとしても、弟の赤点ギリギリセーフのテスト結果に「部活をやりながらだと仕方ない、頑張ったわね」と笑顔の母親は、サキさんには目も合わさずに「できて当たり前」とそっけない態度。サキさんは、口にはしませんが母親の弟との扱いの差に悩んでいました。

電子辞書が欲しいと言ったら「もったいない」とひと言

テスト勉強を頑張って良い点を取れたものの、母には素っ気なく「当たり前」と言われてしまいましたが、夕飯の時に父には「頑張ったね」と言ってもらえて嬉しくなりました。「シュウトはもうちょっと頑張らないとかな」と父が言うと、すかさず母が「シュウくんは部活を頑張ってるから!」とフォロー。でも本当に、シュウトは全教科赤点ギリギリはやばいよ?

この日の夕飯はハンバーグ。「最近ずっとシュウトの好きな物ばっかり」と私は思わずため息交じりに言ってしまいました。すると「人がつくったものに文句言わないの!」と母に怒られて、確かにそうなんだけど、でも。

付け合わせも私が好きないんげんは使わないけど、苦手なエリンギは使うんだよね。そもそも私の好き嫌い、母は覚えているのかな。「シュウ君、エリンギも好きでしょ?」と嬉しそうにシュウトに言っている母と「うん、ありがと!」と笑顔のシュウトを目の前に、なんだかモヤモヤしました。

シュウトは「新しいゲーム機かってくんない?オレだけ持ってないんだよね。」と母におねだりを始めました。えー、あの点数で?まったく甘え上手なシュウト。母は案の定「ショウがないわね~」と目じりを下げています。

それなら私も。「お母さん、私、電子辞書が欲しいんだけど」とお願いしました。母が「紙の辞書があるじゃない?」と言うので、「たくさんあるから持ち歩くの重くて」と説明しましたが、「もったいないこと言わないで」とそっぽを向かれてしまいました。母はいつもこう。シュウトとまるで扱い方が違います。

シュウトさんのゲーム機よりも、受験生のサキさんの電子辞書の方がだんぜん優先順位は上かと思いますが、お母さんの様子だと買ってもらえるかどうか期待は薄そうです。

※ストーリーは実体験を元にフィクションを加えた創作漫画です。
登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。
創作漫画としてお楽しみください。

原案:ママ広場編集部 脚本:船井秋 編集:石野スズ
作画:さいとうにこ
子育て、日常記録を描いています!
3児のママ

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