[歯科医]どんな仕事?やりがいはある?歯科医師について、あかまつ歯科クリニック院長の赤松先生に教えていただきました。

どうしてその仕事を選んだの?やりがいって感じる?失敗することもあるのかな?アレコレ気になるお仕事内容。
今回は、歯科医師である、あかまつ歯科クリニックの院長、赤松佑紀先生に伺いました。

どうしてその仕事をしようと思ったの?きっかけは?

私の父が歯科医師であったからという理由が一番大きいです。必ず歯科医師になりなさいと言われたわけではないですが、自然と医療系そして歯科医師への道を選んでいました。
また、性格的にも頑固な部分もあり、これといったら曲げないので、両親からは会社員は向いていないと小さい頃から言われて、何か資格をもった専門職がいいと言われていたのも理由の一つかもしれません。
私は歯科医師として研修医、大学院、教員、開業医と歩んできました。その中でも医科大学で研修医をしていたこともあり、医学部の免疫微生物学講座の大学院に進む機会がありました。今は同大学の歯科口腔科学でも大学院に進めますが、当時歯科では学位がとれなかったため、縁がある免疫微生物学講座に大学院生として進んだらどうかと背中を押され進学しました。この大学院4年間の経験は本当に大変でしたが、とても貴重な経験で、今の私を培ってきたものです。たくさんの論文も読みましたし、自分以外の人の研究もたくさん手伝いました。そしてたくさんの職種と知り合うことができました。獣医、薬剤師、医科のさまざまな診療科の先生と交流することができ自分の価値観をアップデートできたと感じています。

勉強は大変だった?

大学では自分の仕事に直結するものだったので、勉強することは大変ではありましたが、自主的に必要性を感じ勉強していました。卒業後は、わからないことばかりで、今も勉強を続けていますが、新しいことを学ぶことに楽しみを覚えるようになりました。
笑われるかもしれませんが、「勉強は最高の遊びである」。新しいことを知るっていうのは楽しいと感じています。

職業病や失敗談ってある?

職業病だな、と感じるのは、まず歯をみてしまいます。
失敗談というわけではないですが、自分なりには勉強してきたつもりですが、もっと研修医、大学院時代にもっと勉強しておけばよかったと思います。
また、大学時代に時間がたくさんあったのにあまり外の世界に出るのをためらっていたのを後悔しております。海外旅行や国内旅行含めて、たくさんの経験、知見を広げることをしておけばよかった・・・。
英語は読めるけれど喋るのが苦手なので、英会話を大学時代もっと勉強しておけばよかったと後悔していますし、今苦労しています。

子どもたちへのメッセージ

歯科医師って歯を削る職業に思っているかもしれません。
どちらかというと医科のテレビドラマのように病気を治して患者さんから感謝されるスーパーヒーロー像を歯科医師にも求め、命のやりとりがない分地味に感じるかもしれません。
しかし、医科と違って決定的に違うことは、医科はどちらかというと「病気」に対してフォーカスを当て、その治療にベクトルが向いています。
ですが、歯科は「健康」に対してフォーカスを当て、病気にならないようにベクトルを向けられるとても貴重な職業です。
健康な人をずっと健康なまま過ごしていけるようにお手伝いすることができるのです。
私が歯科医師になったばかりのころは、歯を削って歯を抜いてなど外科的、職人的なイメージが強かったですが、今は予防歯科という言葉が浸透してきている通り、いかに削らずに健康なお口のまま維持できるのかをサポートできる職業だと感じています。もちろん必要があれば職人のように歯を削ったり、外科処置したりもしますよ。

歯科医師の魅力を端的に表すと以下でしょうか。

(1)患者の健康に貢献できる
歯科医師は、口腔内の健康を保つことを通じて、全体的な健康の改善に貢献します。虫歯や歯周病の予防・治療を行い、患者の生活の質を向上させることができます。

(2)多様なスキルを活かせる
歯科医師は、診断、治療、手術、予防、教育など、さまざまなスキルを必要とします。これにより、常に新しい挑戦があり、専門的な知識や技術を磨き続けることができます。

(3)自己管理が可能
多くの歯科医師は自分のクリニックを開業し、経営や診療のスタイルを自分で決めることができます。これにより、ライフスタイルや仕事のスタイルを自分に合わせやすくなります。

(4)直接的なフィードバック
歯科治療の成果は比較的短期間で目に見えるため、患者の満足度や改善を直接的に感じることができます。これがモチベーションにもつながります。

(5)コミュニケーション能力の発展
患者とのコミュニケーションが重要な仕事であり、これにより他者との関係構築や対話能力を高めることができます。

(6)常に学び続ける機会
医療分野は日々進化しており、新しい技術や治療法が次々に登場します。歯科医師はこれらの新しい知識を学び続けることで、最新の治療を提供できます。

これらの点が、歯科医師という職業の魅力となっています。もちろん、個々の価値観や目標によって異なる部分もあるかもしれませんが、全般的にやりがいのある職業といえるでしょう。

執筆者

赤松佑紀
あかまつ歯科クリニック院長
博士(医学)
顎咬合学会認定医
一般社団法人一隅会理事

朝日大学卒業後、京都府立医科大学歯科で研修医として入局。
その後、京都府立医科大学大学院感染免疫病態制御学大学院に進む。
そして大学院後、京都府立医科大学大学院医学研究科歯科口腔科学助教(併任)と京都府立心身障害者リハビリテーション病院 歯科医長として過ごし、地元神戸であかまつ歯科クリニックを開業。
メディカルトリートメントモデルと呼ばれる歯科医療モデルで、予防歯科を基盤として全ての診療に幅広く従事している。
現在は、全国的に予防歯科医療を広めていくために、一般社団法人の理事として奮闘している。

あかまつ歯科クリニック
http://akamatsu-dental.jp

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