国語の勉強はどうやってする?小学生から高校生までの家庭学習方法について

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国語の成績が思うように伸びない、なにを見てあげればいいんだろう?そんな悩みについて、国語の教師経験もある、宮地愛さんから年代別の勉強方法をお伺いしました。

小学生の家庭学習―自律的な学習習慣の確立

小学生になると、自ら学ぶ力を育てる重要な時期を迎えます。この時期に形成された学習習慣は、中学・高校へと進むにつれて大きな差となって表れます。自律的に学ぶ力を育むには、適切な環境づくりとサポートが欠かせません。

学習環境の整備と習慣づけ

小学生になったら、まず学習に集中できる環境づくりから始めましょう。専用の机や勉強部屋があれば効果的ですが、家族がそばにいるリビング学習の方が安心するお子さんもいます。お子さんの性格をよく見極めることが大切です。

明確なルールの設定

私がおすすめするのは、各家庭に合ったルール作りです。「先に勉強、後で遊び」としたい親の気持ちはよく分かりますが、これもお子さんによって異なります。小学校でめいっぱい頑張った子どもたちは、帰宅後に疲れて勉強に集中できないこともあります。そんな時は、まずゆっくり休ませて勉強への英気を養わせましょう。ただし、ルールがないとだらだらしてしまうのは大人も同じです。タイマーなどで時間を決めて、休憩から学習への切り替えを明確にすることが大切です。
学習時間は、小学校低学年では15~20分、高学年では30分程度の集中時間から始めるのが適切です。

自主学習の促進と内容の充実

小学生の家庭学習は、「教師や親がさせる」学習から「子ども自身が進める」学習へと段階的に移行していくことが理想的です。

国語の勉強方法について

[効率的な漢字学習法]
・漢字の書き取りの練習
・漢字辞典の活用
・漢字の成り立ちを調べて図解する
・漢字の間違いやすいポイントをまとめる

漢字を正しく書く力は、高校でも重要な基礎力として求められます。
漢字を効率的に学ぶには、一つずつ覚えるのではなく、部首ごとにグループ分けして覚えましょう。「形声文字」などの漢字の成り立ちや法則を理解すると、未知の漢字も推測できるようになります。例えば、「病」「疾」「痛」などの病気に関連する漢字には「疒」(やまいだれ)という共通の部首があり、この関連性を理解することで記憶が容易になります。
このような学習には漢字辞典が役立ちます。
辞典には関連する漢字とその熟語が掲載されています。
辞典を引くには手間がかかりますが、長期的には多くの漢字や熟語に触れられる利点があります。
また、漢字は正確に書くことが最も重要です(入試では漢字の誤りは減点対象です)。
間違えた漢字は特に注意して復習し、同じ誤りを繰り返さないよう心がけましょう。

[読解力を高める実践的方法]
・読んだ本の内容を簡潔にまとめる
・「読む」だけでなく「読み解く」ことを意識する

文学的な文章を読むときは、単に「読む」だけでなく「読み解く」姿勢が大切です。登場人物や情景をイメージしながら、自分で問いかけを行うと効果的です。
長文読解力を向上させるには、次の方法が有効です。
・段落ごとに要点を整理する
・接続詞や指示語に注目する
・文章の構成や論理展開を把握する
説明文を読む際は、「なぜ筆者はこの例を選んだのか」「この段落は全体でどのような役割を果たしているのか」など、文章の構造を意識しながら読むことで理解が深まります。
私が推奨する特別な自主学習方法の一つは、漫画を読むことです。意外に思えるかもしれませんが、漫画(特に紙媒体)からは多くを学べます。言葉遣いはもちろん、物語の構成、登場人物の心情、行動の変化なども学習できます。魅力的な登場人物との出会いは、感情移入や追体験の機会を提供してくれます。
さらに、古典作品を題材にした漫画も数多く出版されています。中学で古典を学び始める前に、漫画を通じて作品に触れておくことは大きな強みとなります。漫画の内容を自主学習ノートにまとめるのも効果的な方法です。

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