[8]見下し夫|「野球上手くなりたい」息子の何気ない一言で調子づいた夫による毎晩の厳しい特訓が始まった。

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前回のお話

夫と小学生の息子アオイくんと3人で暮らしているマヤさんは、夫の自分勝手な言動に悩んでいます。宿題をするアオイくんの前で平然とテレビをつけて「雑音があっても集中できるように協力してやってる」と屁理屈を言ったり、アオイくんが宿題に苦戦していると馬鹿にしたり「ママに似てかわいそう」と憐れんだりする夫に腹を立てつつも、アオイくんの前でケンカをしたくないマヤさんはグッと我慢。そんなある日、次の連休の家族旅行の予定を突然やめると言い出した夫。理由を聞くと「友達に飲みに誘われたから」と平然と言い、夫の代わりに母を誘うとマヤさんが言うと「お前たちだけ楽しむなんておかしい」と納得しないので、マヤさんは諦めて夫の言うことを受け入れました。連休になり夫が友達の集まりに出かけると、マヤさんはアオイくんのリクエストで動物園に行きました。動物園で動物の絵を描きたいという願いが叶ったアオイくんは大喜び。絵をいっぱい描きたいと言うアオイくんにマヤさんが絵の教室の体験をすすめると、アオイくんは目を輝かせました。その夜、帰宅した夫にさっそく絵の教室のことを話すと、夫は「俺は野球させるって決めてるから」と聞く耳を持ちません。

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「野球楽しかった」息子の一言で夫の野球熱に火が付いた

アオイに野球をさせたい夫は、絵の教室の体験に行こうと思っていることを相談すると猛反対。アオイを説得すると豪語した夫は、翌日さっそくアオイに「今度、野球チームの見学に行こう」と言い出しました。絵の教室の話しをしていたのに突然野球チームの話しをされ、アオイは戸惑っていました。私はもう一度「アオイは絵の教室に・・」と言いましたが、夫は「野球チームに行ってから!」と強引に野球チームの見学を決めてしまいました。

そして野球チームの見学当日。夫は「お前は余計な事しか言わないから今日は2人で行ってくる」と言ってアオイと2人で出掛けていきました。見学から帰ってきたアオイは、意外にも「ただいま~。野球、たのしかった~」とニコニコで帰ってきました。「え!?あっ?そうなの?」と驚く私を見て、夫はアオイの後ろで満足気な表情を浮かべています。

そして、アオイに「もっと上手くなりたいか?」と聞く夫。楽しい見学を終えたばかりのアオイは「うん!」と乗り気。そんなアオイの反応をみて「だから言っただろ?」と勝ち誇る夫。少し不安はありましたが、アオイが楽しいなら・・と野球チームに入ることに賛成しました。

しかし、それ以来すっかり野球に熱が入った夫は「今から公園行くぞ!カラダつくるぞ」と遅い時間でもお構いなしにアオイをトレーニングに連れ出すようになりました。「えっ?夜の8時だよ?」と私が止めようとしても「毎日のトレーニングが大切なんだ!ほら!行くぞ!」とアオイを連れていきました。

夫の夜のトレーニングは毎日毎日続きました。素振り、キャッチボール、ノック・・夫の厳しいトレーニングにアオイは次第に疲弊していったのです。

アオイくんに野球をやらせたい夫は、強引に野球チームの見学にアオイくんを連れていきました。しかし、見学から帰ってきたアオイくんは意外にも「野球楽しかった!」と好印象。絵をたくさん描きたいと言っていたアオイくんの気持ちを気にしつつも、「アオイが楽しいなら」とマヤさんも納得し、アオイくんは夫の希望通り野球チームに入ることになりました。それ以来、夫は夜遅くにアオイくんをトレーニングに連れ出すようになりました。マヤさんが止めても「毎日のトレーニングが大切なんだ」と言って毎晩厳しいトレーニングを続ける夫。アオイくんは次第に疲弊していき、表情も暗くなっていきました。
楽しいと思って始めた野球でも、急にこんな厳しいトレーニングを強制されたら嫌になってしまいますよね。

※ストーリーは実体験を元にフィクションを加えた創作漫画です。
登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。
創作漫画としてお楽しみください。

原案:ママ広場編集部 脚本:のきわだ 編集:石野スズ
作画:まりお
2児の母です。

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