子どもが中学に入ったら、それまで点数が良かった英語が全然分からなくなってしまった・・・。そんな嘆きについて、30年以上にわたる英語講師としての経験、そして受験対策の個別学習塾代表である、株式会社ブルーフレイム代表取締役、イムラン スィディキさんに二回にわたってお伺いしました。
今回は前編です。
保護者の皆さんはお気づきかと思いますが、現在の学校英語は皆さんが経験した中学生、高校生時代とは大分違っています。
まず小学校3年生、4年生から英語や外国人に触れる外国語活動が始まり、5年生、6年生で英語は「教科」となっています。小学校高学年では、保護者の皆さんが中1でやっていたような内容を学びます。つまり子どもたちは以前と比べて早い段階、比較的若い内に難易度の高いことを始めます。
中学校で英語についていけないときは、どうしたらいい?
親としては、子どもが中学入学早々から学校の勉強についていけないと、心配になりますよね。特に英語は小学校と中学校の難易度の乖離が大きいのです。そのため、私のところにも中学1年生のお子さんを持つ保護者から頻繁にご相談が来ます。ご相談内容は皆さん一緒です「小学校で英語をやっていて、そこそこ良い点数を取れていたのに、中1の最初からつまづいている。どうすればいいですか?」
なぜ中学校の英語は難しいと感じるのか
中学英語が急に難しく感じる理由はいくつかありますが、その際たるものが、求められるものが大きく変わることです。小学校の英語では、基本的な日常のフレーズやシンプルな単語を聞いて、なんとなく理解できている、できていそうな状態がゴールです。しかし、中学校に入った途端、今まではほぼやっていない「読み書き」が入ってきます。この時点で、小学校で「なんとなく理解できていた」ことは「読んだり、書いたりできるよね」という前提で授業が始まります。
そこに文法や長文のリーディングなども入ってくるため、ほとんどの子どもは対応できずに、一気に英語に対する苦手意識が芽生えます。
これは、幼少期から継続的に英語の環境に触れてきた子どもも例外ではありません。多くの英会話教室に通っているお子さんも、英会話教室では、小学校と同じようなことをしています。読み書きも教えないところがほとんどです。そのため、小学校時代に英会話教室に通っていた子どもも、中学の英語には対応できずに同じように苦労をします。
[執筆者]
イムラン スィディキ Imran Siddiqui
株式会社ブルーフレイム代表取締役
コペル英会話教室校長
[プロフィール]
1976年生まれ。上智大学大学院時代、複数の英会話スクールで教え、超人気講師となる。
大学院卒業後、中央青山監査法人に就職するも、英語教育への熱意が冷めず、会社勤めしながら2003年「コペル英会話」を設立。
英会話スクールを経営するかたわら、英語本も23冊出版している。
また、ネットも積極的に活用。オンランの英語コミュニティは登録者数10万人超、YouTubeチャンネルの登録者数は17万人超とネットでの存在感を増す。
2021年には大田区の小中高校向けの個別学習塾を引き継ぎ、塾業界に参入。
中学2年生で英検2級合格など、地域トップレベルの成果を出している。
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株式会社ブルーフレイム