失敗が怖いのはなぜ?どんな言葉をかければいい?選択理論心理士の資格もある、つのだデンタルケアクリニック院長、角田智之先生に伺いました!

緊張してしまう子どもには、どんな言葉をかければいい?失敗を怖がるときは?今回はそんなお話を選択理論心理士の資格もある、つのだデンタルケアクリニック院長、角田智之先生にお伺いしました。



なぜ緊張するの?

緊張してしまってなにもできない
緊張することは誰でも経験することだと思います。
なかには緊張してしまってなにもできないと、考えてしまう子どもが少なくないのでしょう。

少し視点を変えて考えてみました。
緊張することは悪いことなのでしょうか?
むしろ、緊張できることは「スキル」とはいえないでしょうか。

こんな話をご紹介してみたいと思います。
ある企業がプロジェクトを成功させるのに、任せられる会社を探していたときのことです。
選考の結果2社が選ばれ、その2社のプレゼンを聞いてどちらに任せるか決定することになったそうです。
よくあることではないかと思います。

大切なのは、誠実さ

まず、1社目のプレゼン。
素晴らしいプレゼンで、スライドも完璧。しゃべりも流暢で、スマートでかつわかりやすい内容でした。
では、2社目のプレゼン。
ここは社長がプレゼンしたのですが、この社長がひどい「あがり症」で、緊張のあまり、声は裏返る、頻繁につっかかり、汗を滝のようにかく始末。最後には笑われてしまいました。

この2社でどちらが選ばれたかというと2社目の「あがり症」の社長の会社だったようです。
なぜかというと、この社長は、あがり症ですが、とにかく一生懸命。誠実に、その企業の役に立ちたいという思いがひしひしと伝わってきたそうです。

緊張したくても、緊張できない人もいます。
緊張するということは物事や相手に対して真摯な態度で臨もうとする態度の表れであり、誠実さの裏返しといえないでしょうか?

他人の自分に対する評価はコントロールできません。それよりも、いかに自分が全力を尽くせたかではないでしょうか。
そうすれば、相手によく見られようとか、結果を出さなくてはとか、思わなくなるかもしれません。

子どもに対して、かけることばとしてはこんな言葉はいかがでしょう。

「緊張するのは悪いことかな?緊張できるということは、素晴らしいことだとお父さんやお母さんは思っているよ。
誰だって緊張する。お父さんやお母さんも〇〇の立場になったら緊張すると思う。
でもね、なぜ緊張するかといえば、自分をよく見せようと思っているとからじゃないかな。
自分以外の相手のために役に立ちたいという思いがあれば、緊張がちょっと少なくなるかもしれない。
でも、緊張は全然OKだよ。
だって、緊張できることは素晴らしいことだし、緊張しまくろうが、自分の全力を出せればいいんじゃない?
終わったとき、どんな気持ちになるか想像してみたらよいと思う。
例えば、スポーツ選手もすごく緊張すると思う。
でも、自分を応援してくれているファンやチームのために全力で戦うことができたと思ったらどうかな?
結果よりもそんな姿に、周囲の人やファンは心を打たれるんじゃないかな。」

失敗が怖いのはなぜ?

失敗が怖い・・・
誰でもありますよね。
なぜ失敗が怖いのでしょうか?

失敗すると、恥ずかしい、バカにされる、落ち込んでしまう、自信を失う、などでしょう。
成功すると、周囲から尊敬される、気分が良い、嬉しい、自信がつく、褒めてもらえる、などでしょう。

なぜ怖いのか?

自分の思い通りにならない(失敗)ことが苦痛であり、事前にそれが予測できるため、「じゃあ、しなければ苦痛を感じなくてすむ」という思考が働き、なにもしたくなくなってしまうことではないでしょうか。

人は、苦痛感情を回避する傾向があります。
ただ、これは「解釈」ではないでしょうか?
苦痛と捉えるかは自分次第。

失敗ってどういうことだと思う?

そもそも、失敗はあるのでしょうか。
失敗を調べてみると、「方法や目的を誤って良い結果が得られないこと」とあります。結果は事実ですが、「良い」、「悪い」捉え方(解釈)と考えることもできると思います。

子どもでも知っている、発明王トーマス・エジソンの言葉です。
「失敗ではない。うまくいかない1万通りの方法を発見したのだ」
これは捉え方といえると思います。
「1万回のあきらめない学びがあったおかげで、今日成功できた。この学びがなかったなら成功はなかった」といえないでしょうか。
チャレンジしなければ、失敗はありませんが、新しい世界や成長した未来の自分を見ることもできません。
失敗ではなく、「学び」や「成長」と捉えたら、失敗が少し怖くなくなり、チャレンジする勇気が湧いてきませんか?

子どもに対して、かける言葉としてはこんな言葉はいかがでしょうか。
「エジソンって知ってるよね。エジソンはね、電球を作るのに1万回失敗したんだって。1万回だよ、普通だったら、あきらめない?でもね、なんでエジソンが普通と違ってたかというと、失敗は先生だって考えたんだね。失敗先生からいっぱい教えてもらって、素直に失敗先生の教えてくれたことを考えて、次は違う方法でやってみようと思ったから成功できたんじゃない?世の中に成功した人はいっぱいいるけど、みんな失敗先生が来てくれたから成功できたのかもしれないね。だって、チャレンジしない生徒には失敗先生は来てくれないもんね」

これらはひとつのかける言葉の例として挙げましたが、子どもの年齢によって変えてみてください。

[執筆者]

角田智之先生
つのだデンタルケアクリニック院長
歯科医師
日本選択理論心理学会認定選択理論心理士

[プロフィール]
予防歯科と口腔外科、舌痛症診療を中心にした診療を行っています。予防歯科は唾液検査を実施し、患者さん一人ひとりにデータに基づいたオーダーメイド予防プログラムを提供することで、地域における歯科疾患の予防に努めています。
原因不明の舌の痛みを主症状とする舌痛症は心理的要因にて発症するといわれており、メンタルヘルスが大きく関わっていると考えられています。当院は、数少ない舌痛症を診療するクリニックであり、なかでも薬を使わず心理療法のみで改善することに力を入れています。オンライン診療も行っており、患者さんは全国から受診可能な体制を整えています。そのほか、メンタルヘルスに関する相談も行っています。
心理的側面からの身体への影響は計り知れないものがあり、少しでも心理療法を通して、困っている患者さんのお役に立ちたいと願っています。

つのだデンタルケアクリニックホームページ
http://www.tsunoda-dentoral.net/

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