虫歯になりやすい人の特徴ってある？効果的なケア方法は？高谷秀雄歯科クリニック院長高谷先生に伺いました！

2023-03-29

ママ広場編集部

虫歯になりやすい人、なりにくい人って本当にいるの？もしいるなら、どんな事に気をつければいい？今回はそんな疑問について、高谷秀雄歯科クリニック院長、高谷秀雄先生にお答えいただきました。

そもそも虫歯とは？

一生懸命歯を磨いているのに、どうしても虫歯になってしまったり口臭が気になったり。
虫歯になりやすい人・なりにくい人を知るためにはまず虫歯とはどういったものか知ることが大切となります。

虫歯の原因について

虫歯は、ストレプトコッカス・ミュータンス菌の働きによって生じる感染症です。
虫歯菌が食べかすや、磨き残しに含まれる糖分を代謝して酸を産生します。
この酸が歯を溶かすことで虫歯が発生します。
歯の表面に付いたヌルヌルした白いカスがプラークといい、この中に虫歯菌が大量に含まれます。プラークの中には、歯有病原菌やカビの真菌、ウイルスなどが含まれています。これが、健康を害するものになります。

虫歯になりやすい環境に関与する４つの要素について

虫歯が生じるには、「細菌」「歯の質」「食べ物」「唾液の質」の４つの要素が関係しています。それぞれが単独で関与しているのではなく、４つ全てが絡んでいます。
（１）細菌
歯磨きが甘く、虫歯菌が歯の表面に付着していれば、虫歯になりやすくなります。
（２）歯の質
歯の表面はエナメル質というカルシウムと、リン酸から構成される結晶構造をしています。虫歯菌が産生する、酸によって溶けにくい強い結晶構造からなる強い歯なら、歯に穴が開きづらく虫歯になりにくいといえます。
（３）食べ物
虫歯菌は糖分を代謝して酸を産生します。甘いものを食べなければ虫歯は発症しづらくなります。
（４）唾液の質
唾液は歯と歯の汚れを洗い流す自浄作用や、唾液の中に含まれる抗菌成分が歯を細菌から守ってくれています。元々唾液の抗菌成分が強い方、唾液分泌量が多い人は虫歯になりにくい環境を持っているといえるでしょう。

虫歯になりやすい人の特徴

では、虫歯になりやすい人とはどんな人でしょうか？以下の特徴が挙げられます。
（１）歯磨きをしない人
歯磨きの回数が1日1回以下の人はプラークがついたままになるため、虫歯菌が酸を産生しやすくなり、虫歯になりやすいといえるでしょう。
（２）歯磨きの質が悪い
歯磨きの回数が不十分、磨き方が悪く、プラークの除去がしっかりできていなければ虫歯になりやすくなります。
（３）甘いものを好む
ジュースやスポーツ飲料、お菓子をよく食べたり、飲んだりする人は、虫歯になりやすいです。糖分を大量に含む食材をよく摂取する人は、食後歯を磨かなければ虫歯菌が酸を産生しやすい環境となります。
（４）間食が多い人
ジュースや甘いもの以外に主食であるご飯やパンにも糖分は含まれています。1日に何回も食事すると、食後に歯磨きをしなければ虫歯菌が酸を産生しやすくなります。
（５）口呼吸している人
歯並びが悪い方や、鼻の疾患を持った方は口で呼吸することになり、唾液が乾燥してしまいます。前述した唾液の自浄作用、抗菌作用が低下してしまい、虫歯になりやすくなります。

効果的なケア方法

虫歯になりにくくするためには、虫歯の４要素をうまくコントロールすることが大切といえます。
毎食後歯磨きをする習慣、自身に合ったハブラシの選択、しっかりとプラークを除去する歯磨きの質の向上が必要となります。
これは、歯科医院で歯のクリーニングを受け、ブラッシング指導を一度受けることが望ましいと考えます。
歯並びが悪い場合は、歯科矯正治療を受ける事も検討頂けると良いでしょう。
また歯磨き時に補助的清掃用具である、デンタルフロス、歯間ブラシ、うがい薬などを積極的に使用し、プラークの除去を徹底すると効果的です。
最近では市販の歯磨き粉に、成人であれば、フッ素濃度が１,４５０ppmFに高められたものを使用すると、歯の再石灰化や歯の質の強化が望めるため使用が望ましいです。
小児においては週に1回フッ素の洗口剤でうがいをしたり、小児用フッ素配合の歯磨き粉を使用したり、6か月に1回以上の間隔で歯科医院で高濃度のフッ素塗布を受けると良いでしょう。
また間食や夜食を控えるようにし、虫歯菌が必要とする糖分の摂取を減らすことが重要となります。そして食事時には、唾液をしっかり出すためによく噛んでゆっくり摂取することを心がけましょう。
日々の心がけで、虫歯知らずの歯を目指せます。頑張ってください！

［執筆者］

高谷秀雄（たかたに・ひでお）先生
歯科医師（歯科口腔外科）
医療法人雄愛会　高谷秀雄歯科クリニック　院長・理事長