子どもの歯並びが気なるけれど、矯正はいつからできる?気を付けることは?そんな悩みについて、高谷秀雄歯科クリニック院長、高谷秀雄先生に伺いました。
どうして歯並びが悪くなるの?
現代の日本人は、遥か昔(縄文時代など)と比較して顎の骨が小さくなっています。ここ数十年では大きくなってきたともされていますが、それはとても僅かなものです。
顎が小さくなっても歯の本数は変わらないので、生えてくるスペースが足りなくなり、間違った位置や向きになってしまうことが多くなります。また、美意識の変化によって僅かな歯並びを気にする方も増えています。
これはご自身だけでなくご家族に対しても同様で、お子さんの歯並びが気になるという相談を当院では多く受けています。
歯の矯正はいつからできるの?
「歯並びは直せるもの」と認知されて久しいですが、「高額なもの」という認知も変わりません。大人になってから矯正を相談して「もっと早めにやっていれば」と歯科医に言われて悩んだ親御さんが、せめて自分の子どもにはキレイにさせたい思いを感じます。
乳歯が抜けて、永久歯が生えてくるころには、ある程度の歯並びが予測できます。それ以前の乳歯が残っている期間に矯正を始めることは意見が分かれています。先生によって方針が異なりますし、それは金額にも大きくかかわるので、しっかりと相談して判断しましょう。また、稀にある「歯の欠損」や「親知らず」は歯並びに影響しやすいですが、歯科医が見れば早期に発見して対応できます。「一般歯科」と「矯正歯科」の両方を診療しているクリニックはお勧めできます。歯が正しく生えてこないことには必ず「原因」があるので、ただ矯正をすればいいというものではなく、他の治療も必要になるケースがあるからです。
普段から気を付けることはある?
また、日常の習慣から歯並びに影響するものがあります。
代表的なものに「指しゃぶりによる出っ歯」が有名でしょうか。乳児期のおしゃぶりには咀嚼(噛むこと)をトレーニングする目的もありますが、幼児期の指しゃぶりはメリットがほぼありません。指を吸うことで歯の裏側に圧力がかかってしまい、前歯が外側に少しずつ動いてしまうのです。短時間であれば影響は小さいといえますが、寝ながら指しゃぶりなどをしているクセがある場合は対策が必要です。
[執筆者]
高谷秀雄(たかたに・ひでお)先生
歯科医師(歯科口腔外科)
医療法人雄愛会 高谷秀雄歯科クリニック 院長・理事長
[プロフィール]
「断らない医療」をモットーに、患者さんとのコミュニケーションを大切にし、ひとりひとりに合った歯科治療の提供を心がけた病院を目指している。
専門は親知らずの抜歯・口腔癌等、歯科口腔外科全般。
審美歯科治療・インプラント治療も得意とする。
高谷秀雄歯科クリニック ホームページ
https://www.takatani-dental.jp