自分の幼い子どもが、性器を触っているのを見たら
「まさか、この年で自慰行為?」
と、親としてはかなりビックリして、
「すぐにやめさせるべき?」
「どうしよう」
と、かなり焦ってしまいますよね。
でも、心配しないでください。
実は自分の性器を触ってしまう子どもというのは、意外と多いのです。
幼児が自慰行為をするのは性的な目的はなく、偶然性器に触れたら気持ちよかったからつい触ってしまったり、退屈な時に無意識にさわってしまったりしているだけのことが多いようです。
性的な意味ではなく、指をなめる、爪をかむ、びんぼうゆすりをする、というような癖行動のひとつと考えるとよいでしょう。なかには癖になってしまう子もいますが、子どもの成長過程のひとつだと考えてよいと思います。
強く叱るのはNG
子どもの自慰行為を発見した時には強く叱らないようにしましょう。
叱って無理に自慰をやめさせようとしても、小さいうちはなぜいけないのか伝わりにくいです。強く叱ることで隠れて自慰をするようになったり、無意識のうち性に対する罪悪感やタブー感をうえつけてしまったりする可能性があります。
優しく声をかけましょう。成長するにつれて自慰を行わなくなっていくことが多いです。一過性のものであると考えて、見守りましょう。
ただし、ママがこどもの自慰行為をみることに苦痛を感じたり、子どもが外で自慰をするようになったら、やめるように促すとよいかもしれません。
その場合は『自慰は悪いこと』だと示すのではなく、「バイ菌がはいるからやめようね」「みんなの前ではやめようか」と優しいトーンで声をかけましょう。
幼児の自慰が気になるなら運動や手をつかう遊びがおすすめです。意識的に自慰行為をする子どももいますが、手持ち無沙汰になると性器を触ってしまう子どももいるようです。
子どもが自慰を始めたら、外遊びに誘ってみましょう。手を動かさないとあそべない工作やお絵描きもおすすめです。
自然に治らない場合は何らかのストレス、不安などがあるかもしれません。できるだけ一緒にいる時間を増やしたり、またスキンシップをとったりするとよいです。なにか原因がないかみてあげてください。
子どもがどんな時に自慰行為をしてしまうのか?
自分の方を向いてほしいとき、叱られた後など悲しいことがあったとき、ただ単に手持ち無沙汰になったときなど、原因がわかると対応しやすくなります。
プライベートゾーンを教える
女の子は股間や胸など、男の子は股間などのプライベートゾーン(水着で隠れる部分)として教え、「大切な部分だから、他人にむやみに見せたり、触らせてはいけないよ」と教えてあげてください。
何がよくて何が悪いのかの判断が曖昧な幼児や小児のうちは、親の立場からきちんと教えてあげることが大切です。
[執筆者]
鈴木三奈(すずき・みな)先生
東京ブランシェクリニック医師
[プロフィール]
大学卒業後、大学病院にて形成外科を学んだ後、保険診療にてさまざまな小児形成外科疾患を経験する。小児形成外科ではお子さんと向き合うだけでなく、家族との対話を大切にし、コミュニケーションをとりながら様々な悩みに真摯に取り組んできた。
保険診療だけでなく、自由診療にて美容整容目的の美容外科、美容皮膚科にも興味をもち、そちらも同時に学びながらより多くの方々の悩みに寄り添うことを信条としている。
患者様に寄り添ったカウンセリングを得意とし、多くの治療経験をあわせ持つ。これまでの経験を活かし、質の高い治療を提供している。
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