子どもの歯磨きについて、これでいいのかな？と思うこと、ありませんか？
今回は子どもの歯磨きのコツや歯磨き粉の選び方などについて、ヒグチデンタルクリニック院長、三枝遵子先生にお伺いしました。
年齢別、歯磨きのコツは？
歯が生えるのは、生まれて平均6ヶ月くらいといわれています。よだれがまだ出でいる時期の歯磨きは、歯をガーゼやコットンで拭くのでも大丈夫です。1才くらいからは、歯が4-8本位出ているので、仕上げ磨き用の歯ブラシで磨き粉をつけずに磨くと良いでしょう。
1才半から2才位になると色々食べるようになるため、虫歯予防のために仕上げ磨きをしましょう。
3-4才くらいからお子さんに少し歯ブラシを持たせて、磨ききれなくても、自分で磨くことに慣れさせます。
5-6才くらいからは本格的に自分で磨かせましょう。ただし、まだ、子どもだけの磨きではよく取れていないので大人による仕上げ磨きはしっかりと。
仕上げ磨きを嫌がる時はどうしたらいい？
仕上げ磨きを嫌がるのは、なかなか難しい問題ですよね。お子さんの性格がさまざまなように、対応もさまざまなように感じます。保護者の方の歯磨きを子どもにさせ、次の番は子どもだよと仕上げ磨きをすると嫌がりにくいと聞きますが、お子さんによるかもしれませんね。
歯磨きを好きになってもらえるためのポイント
歯磨きを好きになってもらうために、色々な方法を試しました。オリジナルの歌をつくったり、絵本をつくったりしました。どうにかお子さんに楽しみながら歯磨きをしてもらえるか、お子さんがどうしたら歯磨きが好きになるか、私達歯科医も日々考えて診療しております。
仕上げ磨きは何歳まで？？
仕上げ磨きは、できれば10才ころまではしてほしいです。
ただ、10才頃、毎日するという意味ではありません。年齢に合わせて徐々に仕上げ磨きは減らしていきます。10才位だと週1-2回を目安にすると良いでしょう。
何より大事なのはいきなり仕上げ磨きをやめないこと。今まで歯磨きをしてもらっていたお子さんですから、自分で歯磨きが出来なくなるお子さんになってしまうのです。
歯磨きをしていても歯垢が取れていない歯磨きは意味がないです。仕上げ磨きをしなくなった後のフォローアップがとても大切になります。
フッ素は塗った方がいい？
フッ素は塗った方が良いと考えます。生えたての永久歯にフッ素を塗る事はとても有効です。生えたての歯は歯茎の中では未完成なので、この時期にフッ素を塗るとフッ素が取り込みやすくなるのです。
大人になっても、フッ素を子どものように塗らないのは歯が完成しているため、歯の表面はフッ素イオンコートをしたようにはなりますが、歯の中にフッ素が取り込まれる時期が過ぎてしまっているからです。だからこそ、子どもの時に半年に1回を目安に歯科医院でフッ素を塗ると良いのです。
虫歯予防研究では口腔清掃やシュガーコントロールの効果より、フッ素の方が明らかに予防効果が高いとされています。そのため、最近では在宅の高齢者でセルフケアできない人にも積極的にフッ化物を使う方向になっています。
フッ素のリスクについては、過去数十年間にわたり世界中でフッ化物が使われてきたことで、リスクについても十分に検証が行われていると考えています。
フッ素の使用に抵抗がある方は、歯垢が取れるしっかりとした歯磨きをお勧めします。
歯磨き粉の選び方
前述したように、子どもの歯にフッ素を塗る事が大切になりますので、フッ素が入った歯磨き粉やキシリトール配合の歯磨き粉を選ぶと良いです。フレーバーはお子さんの好きなものにすると歯磨きが好きになるかもしれませんね。
今、ゲームをしたり、動画サイトをみたりとインドアなお子さんが多いです。歯や骨のメインとなる成分はカルシウム。カルシウムがつくられるにはカルシウムだけでなく、ビタミンD、そして紫外線なくしてつくられないのです。適度に外で紫外線を浴び運動する、つまり外で元気に遊ぶ事が、歯や骨を丈夫にするのです。
今、若い女性が美白にこだわり、日光を浴びず、歯や骨が弱っている傾向にあります。若いお母さまの考え方によっては、日光を浴びないお子さんが増えている可能性もあります。
何事も極端に避けるのではなく、屋外で適度に日光を浴びながら運動して、生涯付き合っていく大切な歯をお子さんと一緒に育んでいきましょう。
［執筆者］
三枝 遵子（さいぐさ じゅんこ）先生
ヒグチデンタルクリニック院長
［プロフィール］
1994年日本大学歯学部卒業。日本大学歯学部付属歯科病院・歯周病学講座を経て、台東区浅草で樋口歯科を開業。2009年にヒグチデンタルクリニックと名称を変え台東区雷門に移転、現在に至る。2011年に予防啓発活動として「ハミガキろっく」という歌を制作。2013年には「DVDでみる絵本」を制作。2021年には「なんではをみがくの？」という今更聞けない、大人にこそ読んで欲しい絵本を制作。欧米諸国並みに日本国民の歯の予防意識を向上させたい！と予防啓発に励む。
ヒグチデンタルクリニック ホームページ
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