子どもの仕上げ磨きしていると歯ぐきから血が…どうしたらいい?こどもと女性の歯科クリニック院長、岡井先生に伺いました!

子どもの仕上げ磨きしていると歯ぐきから血が・・・そんな経験ありませんか?今回は、そんな症状「歯肉炎」について、こどもと女性の歯科クリニック院長、岡井 有子先生にお伺いしました。



歯ぐきから血が・・・これって歯肉炎?

最近は、歯肉炎のお子さんが増えてきて、歯ぐきから血が出るとよく言われます。歯科医にしたら何でもないことですが、親御さん方はご存じないことも多く、わかりやすくお伝えできたらと思います。

歯肉炎とは、歯ぐきに汚れが付いていることにより、歯ぐきが炎症を起こしている状態をいいます。歯周炎は、歯周病菌が関与しますが、歯肉炎は歯ぐきの炎症です。しかし、歯周炎の初期段階ですので、注意が必要です。
しかし、汚れが原因ですので、歯周炎になる前に汚れを除去することで治ります。

仕上げ磨が痛いといわれた!どうしよう?

仕上げ磨き時に痛みを生じる原因は3つ。
1)歯ぐきの炎症が起きている。
2)歯ブラシ圧が強い。
3)歯ブラシが歯ぐきや頬に当たっている。

1の場合、歯ブラシをしっかり当てましょう。この時用いる歯ブラシは硬めのものを使いましょう。
2の場合、歯ブラシペングリップで歯ブラシを持ちましょう。ゴシゴシでなく、ゆっくりていねいに磨くようにしてみましょう。
3の場合、磨こうとしている部位の頬の粘膜を歯ブラシで擦っていないか確認しましょう。
また、これは特に重要です。ハミガキを嫌がるお子さんに無理やり歯ブラシをしていませんか?歯ブラシは、機嫌のいい時間に行うようにしましょう。磨かないといけないと一生懸命になるため、怖い顔をしてお子さんの顔を覗き込んでいないか、鏡を見てくださいね。優しいご両親が殺気立っていると歯ミガキだって嫌になっちゃいますよね。

当院では、歯磨き前にまずはお口のマッサージを薦めます。

お口のマッサージの方法は、頬の粘膜を伸ばすように、指を使い奥から手前に向かってマッサージします。画像の手順で、上下左右に指を動かします。反対側も同じように行いましょう。はじめは硬い粘膜も、だんだん軟らかくなってきます。

そして、マッサージを行うことで、小唾液腺(しょうだえきせん/唾液を分泌する腺)から刺激唾液(咀嚼などで刺激されることで出る唾液)がたくさん出ます。刺激唾液は、酸性度が低く緩衝能が強い性質を持っています。酸性度が低い・緩衝能が強い唾液が出ると、虫歯になりにくくなります。

気になったら受診した方がいいですか?

お口の状態が気になるようでしたら、受診をお勧めします。汚れが原因ですので、クリニックを受診し上手な磨き方を教えてもらってください。
歯磨きも大切ですが、ハミガキ前のマッサージはとっても大切です。
歯磨きを嫌がるお子さんも、マッサージはOKという子もいますので、やってみてください。
口腔内の悩みはなかなか気づきにくいもの。普段の生活から歯の健康を意識していきたいですね。

[執筆者]

岡井有子先生
こどもと女性の歯科クリニック院長

[プロフィール]
看護師として京都市内の産婦人科勤務を経たのち、大阪歯科大学に入学。
同大学大学院歯学研究科で小児歯科学を専攻。一般歯科医院勤務を経て、2017年7月に『こどもと女性の歯科クリニック』を開院。
「顎顔面口腔育成療法」により子どもたちの健康な発育をサポートし、ママへの抱っこや離乳食の講座なども開催している。

[略歴]
京都市内産婦人科勤務
大阪歯科大学 卒業
大阪歯科大学大学院歯学研究科(小児歯科学専攻)修了
大阪歯科大学大学院歯学研究科 非常勤講師

[所属学会]
日本小児歯科学会
日本小児耳鼻咽喉科学会

[所属研究会]
顎顔面口腔育成研究会
赤ちゃん歯科ネットワーク
母子フィジカルサポート研究会

こどもと女性の歯科クリニック
https://cw-cl.jp/

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