最近、尿まわりのことで心配ごとが・・・でも、泌尿器科って女性でも受診できるの？そんな疑問について、なかざわ腎泌尿器科クリニック院長、中澤 佑介先生にお伺いしました。
泌尿器科って女性も行っていいのでしょうか？
泌尿器科に対して、「男性の患者さんが多い」「性病の方が行くところ」というイメージを持っている女性は少なくないと思います。
でも、尿のトラブルは性別や年齢を問わず誰にでも起こりえるもの。
特に、おしっこが漏れるなどは加齢により骨盤底筋が弱ることなども原因のひとつですので、一度ご相談頂けますと原因を一緒に考えることができます。
また、泌尿器科は、女性はもちろん、子どものおしっこの悩みも相談できる診療科ですので、ご家族でご利用いただくことも出来ます。
どんな症状が出ていると受診をした方がいいのでしょうか？
泌尿器科は文字通り、内分「泌」や「尿」路の臓「器」に関する異常や疾患を扱う診療科です。
具体的には、腎臓、尿管、副腎、膀胱、尿道の病気、それに加えて男性の場合には、前立腺、陰嚢・睾丸（いんのう・こうがん）、陰茎などの男性生殖器まわりのトラブルを診察します。
女性の場合は男性に比べて尿道が短いという体の構造上の特徴に加え、妊娠や出産、閉経などがあることから、女性も泌尿器疾患になりやすい傾向があります。
症状としては「頻尿」「尿もれ」などが多くみられます。
そのほか悪性腫瘍（膀胱がん、腎臓がん、尿管がんなど）、尿路結石も、男性だけではなく女性にも起こる可能性がある病気です。
出産後、くしゃみや、子どもとジャンプすると尿漏れが・・・自然に治る？受診してもいい？
くしゃみやジャンプをするといったお腹に力が加わると起きる尿漏れを、腹圧性尿失禁（ふくあつせいにょうしっきん）といいます。
腹圧性尿失禁には骨盤底筋が大きく関わってきます。
骨盤底筋は骨盤の底にある筋肉群のこと。
恥骨・坐骨・尾骨にハンモックのようについています。
骨盤底筋の役割は、
1．子宮・腟・膀胱・尿道・直腸などの臓器を支えて正しい位置に保つこと。さらに、
2．尿道や肛門を調節し、排尿・排便コントロールを行うことです。
妊娠や出産・加齢により骨盤底筋のダメージを受けることで腹圧性尿失禁が出現すると考えられています。
一方、尿もれの症状が比較的軽い人なら、骨盤底筋のトレーニング（骨盤底筋訓練）を続けることで予防や改善が期待できます。
（腹圧性尿接近に対する骨盤底筋訓練は女性下部尿路症状診療ガイドライン ［第2版］において推奨グレードAになります）
しかし、自分一人では正しい方法で施行できない場合も多く泌尿器科、特に看護師さんなどが積極的に骨盤底筋訓練を指導しているクリニックを受診出来たらいいと思います。
繰り返しになりますが、受診にあたりハードルが高いかもしれませんが、おしっこのことでお悩みなら一度泌尿器科の受診をお勧めします。
［執筆者］
中澤 佑介（なかざわ ゆうすけ）先生
なかざわ腎泌尿器科クリニック院長
［プロフィール］
【資格】金沢医科大学 医学博士、日本泌尿器科学会 泌尿器科専門医
2003年 京都府洛南高等学校 卒業
2012年 金沢医科大学 医学部医学科 卒業
2012年 金沢医科大学 氷見市民病院 初期臨床研修医
2014年 金沢医科大学 泌尿器科学 助教
2019年 金沢医科大学 大学院 博士課程修了
2021年 誠美会 池田クリニック（非常勤）
2021年 なかざわ腎泌尿器科クリニック 院長
2023年5月 金沢駅前にメンズヘルスクリニックを開院予定
患者さんに近い立場で専門的医療を提供したいという想いから、クリニックを開設。男性だけではなく、女性にも身近な泌尿器科クリニックを目指しています。
なかざわ腎泌尿器科クリニック
https://www.nakazawa-cl.jp/
