子どもがむし歯になってしまった!治療がきちんと受けられるか心配・・・痛くて嫌がったらどうしよう・・・
そんな悩みについて、株式会社ToothToothの歯科医師であり、動画共有サイトで年齢別の仕上げみがきの方法などを提供している、藤本侑里先生にお伺いしました。
うちの子がむし歯に!うまく治療を受けられるか心配・・・
お子さんがむし歯になって、ショックを受けてしまう保護者の方も多いかと思います。
保護者の方の中には、自身の幼少期の歯科治療の経験がトラウマとなっている方もいるかもしれません。
しかし、今と昔(30年ほど前)を比較すると、歯科治療は明らかに進化しています。
材料や新しい治療法が確立されただけでなく、歯科治療の考え方も変わっています。
なるべく歯を削らない、歯をなるべく抜かずに治療するという考え方が近年の主流です。
ですので、昔と比べて、歯を守るということに重きをおいた歯科治療が行われることが一般的です。
また、昔は説明も特になく治療がいきなり始まることがあったと聞きますが、最近の歯科医院で説明なしに治療が始まることはあまりないかと思います。
また、むし歯の治療が痛いかどうかも気になるかと思いますが、そもそも、うちの子は上手に治療なんてできないんじゃないか、と思われる保護者の方も多いと思います。
診療台に一人で寝転んで大きなお口を開けてじっとするなんて、うちの子には到底無理でしょうと思う方もいると思います。
3歳頃までのお子さんが一人で診療台に座れる子は少ないですが、3歳を過ぎると徐々に一人でも座れるお子さんが増えてきます。
なので、もし今むし歯のあるお子さんで治療がうまくできずに悩まれている保護者の方も、いつかは必ず治療ができるようになるので、気長に待ってあげましょう。
今の治療は痛い?そうでもない?
治療の痛みに関して、むし歯の進行具合にもよりますが、ほとんどの治療で麻酔が用いられます。
注射も麻酔ですね。お子さんのほとんどは、この注射の麻酔が苦手です。これをクリアできればスムーズに治療できる場合が多いです。
そのため、歯科医師や歯科衛生士は麻酔が上手にできるように試行錯誤します。
麻酔で痛みを感じる時は、注射を刺す時と麻酔薬が入って行く時です。
なので表面麻酔という、注射の麻酔を刺す前に塗る麻酔を塗ってから、粘膜が鈍感になっているところに注射の麻酔を行います。
そして、注射をしている最中は子どもの気を逸らすように話しかけ、ゆっくり麻酔薬を注入します。
ここまでの段階で、泣かずにできるお子さんのほとんどがその後の治療をスムーズに行えます。
なぜなら、頑張ったぞ、できたぞと、これからの治療がんばるぞというやる気で心が満ちているからです。
お子さんの歯科治療を側で見られるようでしたら、歯科医師や歯科衛生士の手技だけでなく子どもの言葉の掛け合いにも注目してみてくださいね。
歯を抜いたら銀歯になる可能性は?
ここでは、乳歯を抜いた場合の話をします。
なるべく歯を抜かないように治療を進めていきますが、むし歯があまりにも進行していて、後から生えてくる永久歯に影響が出る場合、抜歯をすることがあります。
抜歯する箇所の永久歯が生えるまでの期間が長い場合、抜歯によって失うスペースを補ってあげないと、前後の歯がそのスペースに寄ってきてしまい、本来生え変わるべき永久歯のスペースがなくなってしまうことがあります。そのため、そのスペースが失われないように矯正装置のついた銀歯を装着することがあります。
むし歯治療をしなくていいように、予防することが大切ですが、もしむし歯になってしまってもむし歯の小さいうちに治療する方が、歯を削る量も少なくて済みますし、治療の時間も回数も少なく済むことが多いです。
また、うちの子は治療なんて上手にできないだろうからまだ歯科医院に通院しなくてもいいかな、と思っている保護者の方もいるかと思いますが、おうちではできなくても案外上手に診療台に座れたり、大きなお口を長時間開けられるお子さんもいます。
気になる方は一度、歯科医師に相談してみましょう。
[執筆者]
藤本侑里 先生
[プロフィール]
歯科医師として治療を行う傍ら、二児の母として日々奮闘中です。
岡山大学歯学部を卒業後、大阪歯科大学にて臨床研修し大阪府内の歯科医院にて勤務。日本歯科保存学会所属 認定医。
日本小児歯科学会所属。現在は、兵庫県内の歯科医院で歯科治療を行いながら、(株)ToothToothにてSNS発信や商品開発に携わっています。YouTubeでは年齢別の仕上げみがきの方法、弊社のはみがきうさぎというキャラクターの歌やダンスなど、小さなお子様のいるご家庭の皆様に喜んでいただけるコンテンツを用意しています。
Instagram:@mama_haishasan