「あの子が幸せならもういい」恋心を利用された息子は遠い目

女子に贈ったプレゼントの件でお母さんが学校に呼び出されたと察していたショウくんは、帰ってきてからも何も聞いてこないお母さんに「何も聞かないの?」と自分から静かに切り出しました。ショウくんの言葉に、お母さんは「聞かないの?って・・聞いて欲しいの?」と優しく聞き返すと、「いや・・」と言葉を濁すショウくん。しょんぼりしているショウくんにお母さんが「じゃ・・いいよ。わかってるんでしょ?」と笑顔で言うと、ショウくんは無言で頷きました。

その後、お母さんとショウくんはデリバリーしたピザを食べながら2人で今回のことについて話しました。お母さんが「その子のことは吹っ切れたの?」と聞くと「うん・・」と答えたショウくん。「でもひどいよね?せっかく渡したプレゼント売っちゃうとか」とお母さんは憤りますが、ショウくんは「仕方ないよ」となぜか冷静。

「だって・・」とショウくんが続けた言葉にお母さんは衝撃を受けます。ショウくんによると、財布をプレゼントした後に女の子から『彼氏ができたよ。彼が嫌がるからショウからのプレゼントは売って、そのお金を好きなことに使うね!プレゼントありがとう』というメッセージが届いたというのです。お母さんにとってはメッセージの内容にも驚きましたがそんなことを伝えられて仕方がないと言ってしまうショウくんも理解しがたい衝撃でした。

悪びれもせずそんなメッセージを送ってくる女の子にドン引きのお母さんが「え??それで納得したの?」と聞くと、ショウくんは「え?うん。彼氏に悪いとかって思える子だし、一途なんだなって思ってさ~」と、こんな状況になってもまだその女の子に好意を持っている様子でした。どこまでも呑気なショウくんにお母さんは堪らず「いや・・待って。恋心を利用されただけだよ?騙されたのと同じだよ?」と厳しい現実を突きつけました。

しかし、それでもショウくんは「でも・・騙してたら売ったって言わないだろ?俺に」と女の子を庇います。どうしても納得できないお母さんが「え?でも・・そういう手口じゃ・・」と食い下がると、ショウくんはお母さんの言葉を遮るように「もう、いいって。あの子が幸せなら・・」と言い、遠い目をして悲しそうにフッと微笑みました。
お母さんの反対を押し切って好きな女の子に高額な財布をプレゼントをしたものの、結局は恋も実らずプレゼントした財布も売られてしまい何も残らなかったショウくん。今回の事を反省はしている様子ですが、プレゼントしてくれた相手に全く悪びれず「彼氏ができたからもらったプレゼントは売るね」と伝えることができてしまう女の子に疑問を持つどころか、「彼氏に一途な子」とむしろ好感を持ってしまっています。遠い目をして「あの子が幸せならもういい」と呟くショウくんに、「恋心を利用されただけ。騙されたのと同じ」と現実を突きつけたお母さんの言葉がどこまでちゃんと伝わっているのか心配になってしまいますね。
※ストーリーは実体験を元にフィクションを加えた創作漫画です。
登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。
創作漫画としてお楽しみください。
原案:ママ広場編集部 脚本:のきわだ 編集:石野スズ
作画:コハダさんさん
LGBTQ当事者、1児の母。
里帰り育児漫画やLGBTQを絡めた創作漫画を描いてます。