子どもの通う小学校で、毎日の宿題として出されている『国語の教科書読み』。
子どもも私も学区が同じなためか、現在も私が子供のころ使っていた出版社の教科書(光村図書)を使用しており懐かしいお話もたくさん載っていてとても懐かしい気持ちになるのですが……。
意外と変わってない?! 懐かしくて大好きだった物語たち
長男が1年生の時に持ち帰った教科書に載っていた、『くじらぐも』。
彼が音読の練習を始めた瞬間、当時の記憶がぶわっと走馬灯のように(縁起でもないですが)頭をめぐりました。
同じく掲載されていた『スイミー』は絵本でもちょくちょく見かけるので、書店などで「懐かしいな」と思っていたのですが、くじらぐもは本当に小学校1年生以来の再開で、当時の記憶が急に湧き出してきた感じ。
当時くじらぐもは、学芸会で劇として披露したんですが、長男の学年でも同じことをしていました。
もう、劇を見ながら本当にノスタルジックあふれる感じでした。
そして、『おむすびころりん』や『たぬきの糸車』、馬頭琴について書かれた『スーホの白い馬』などは、教科書の練習で読むのを聞くたびに、なんだかうれしくなっていました。
今改めて聞いても、さすが長い間教科書に選ばれているだけあって、いいお話だなぁと思います。
「ごん、おまえだったのか」
で終わるのが切ない『ごんぎつね』なんかも、もう本当に大好きなので、うれしかったです。
号泣!! ちいちゃんのかげおくり
そして、小学生の教科書の中で一番私の思い入れが強いのが、「ちいちゃんのかげおくり」です。
実はこれ、小3だった当時の私が音読練習を母に聞いてもらっていた時に、母が号泣してしまい、あろうことか「もうこれは聞かせなくていい。音読禁止」と言われてしまった作品。
(音読してないのに、読んだ証拠のおうちの人のサインを書いてくれてました)
お父さんは戦争へ行き、空襲から逃げる時にお母さんやお兄ちゃんとはぐれてしまった小さな女の子『ちいちゃん』が、一人で家族との再会を待ちながら、一人ぼっちで亡くなってしまい……。
やっと天国で家族に再会できるという、結局、家族全員ちいちゃんより先に亡くなっていたんだなぁ……って感じの、かなり重い物語です。
あまんきみこさんの書く、優しい語り口がさらに胸にぐっときます。
これ、長男が3年の時は、彼が宿題をさぼる傾向もあってあまり音読を聞いた覚えがないのですが。
でも現在、長女が毎日、かなり上手に読んでくれるんですよね。
自分が読んでいた頃は、一人になったちいちゃんがかわいそうなのと、もし自分がそうなったらどうしようと、恐怖心も強く残った作品だったのですが。
大人になり、親になってから聞くと、また違った感想が胸にこみ上げてきます。
もし、自分の子がひとりぼっちで、お腹をすかせながら暗い防空壕で死を待つのみになってしまったら。
そして、先に自分が死んでしまって、子どもを助けてあげることもできない状況になってしまったら。
……
……
長女の音読を聞きながら、いつの間にか涙がぼたぼた。
時が流れ、視点が『ちいちゃんの母』になってしまっていたのには驚きました。
昔、私の音読を聞いているとき、きっと母も同じ気持ちだったのかもしれません。
そういえば、映画「火垂るの墓」も、子どものころは主人公のおばさんが意地悪で腹が立ちましたが、大人になってから見ると、あのおばさんも自分の家族を守るために必死だったのだろうなと、少し感想が変わりました。
視点の変化に気づかせてくれるなんて、教科書め、なかなかニクイね!という気分です(笑)
4年生になると、同じく戦争を題材にした「1つの花」もあります。
「おじぎり、一つだけちょうだい」
といって、出征する日のお父さんのために用意された貴重なお米のおにぎりを、全部食べてしまう小さな女の子、ゆみ子。
「お父さんのおにぎり、全部食べちゃうなんてわがままだなぁ」
と、子どもの時は思っていましたが、今は子供に食べさせたい気持ちのほうがわかります。
この物語に、長女がどんな感想を持つのか、今から楽しみです。
長男の小5の教科書には、当時大好きだった「大造じいさんとガン」がまだ掲載されていました。
ガンの名前である「残雪」が、当時めっちゃかっこいいと思って、子どもに名付けたいと思ってました。
結局名付けませんでしたが(笑)
小6の教科書を、来年長男が持ち帰るのがすごく楽しみな今日この頃です。
中学や高校の時にやった中島敦の「山月記」、夏目漱石の「こころ」など、教科書にはいまだに強い印象が残っている作品がたくさん!
上の記事にもあるように、古文を暗記したのも懐かしいです。
枕草子、平家物語、方丈記、源氏物語、徒然草など、冒頭を必死に覚えましたよね~。
一度、全部の教科書を読み返してみたいですが、さすがに処分しちゃっただろうな~。
……と思ったら、こんなものを発見!!
過去,光村図書の『国語』教科書に掲載された作品のうち,先生方や子どもたちに高い評価をいただいたものを精選し,アンソロジー形式で収録しました。教科書で出会ったなつかしいあの作品に,もう一度出会うことができます。
ちょっと、欲しくなってしまいました。
みなさんも、印象深い教科書の話、ありますか??