子どものワキガに気づいたらどうすればいい?対処法について小児外科医澁谷先生にお伺いしました

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3.お医者さんに相談する場合:治療方法

ご家庭でのセルフケアを続けても症状の改善が見られない場合や、お子さんが学校生活や人間関係に支障をきたし始めている場合は、専門医への相談をお勧めします。
病院での診断方法
客観的な診断のためにガーゼテスト法を推奨しています。これは、腋にガーゼを挟み、運動後に回収したガーゼの臭いを医師が嗅いで評価する方法です。この方法は、お子さんが自己臭恐怖(自分の臭いを過剰に気にしてしまう状態)に陥っていないかの鑑別にも役立ちます。

子どもが受けられる主な治療方法
治療法:外用薬
特徴と子どもの治療における利点:
保険適用の制汗剤。汗腺を物理的に塞ぐ塩化アルミニウムローションに加えて、最近では汗の分泌を促すアセチルコリンの働きを抑える抗コリン薬が使えるようになりました。第一選択の治療法で軽度の症状軽減に期待できます。
デメリット/注意点:
対症療法のため、継続する必要があります。皮膚のかぶれが問題になることがあります。

治療法:ボツリヌストキシン注射
特徴と子どもの治療における利点:
原発性腋窩多汗症に対して保険適用の処置。交感神経を麻痺させて汗を抑えることで腋を乾燥させ、二次的に臭いを軽減させます。
デメリット/注意点:
根本治療ではなく、効果は一時的(3〜6ヶ月)で、状態を維持するためには、繰り返し処置を受ける必要があります。多汗症に対する治療なので、臭いのみには適応となりません。

治療法:ミラドライ
特徴と子どもの治療における利点:
最新のマイクロ波治療で、汗腺を熱で破壊し、長期的・半永久的な効果が期待できます。ダウンタイムが短く、学校生活への影響が少ないです。
デメリット/注意点:
自費治療で限られたクリニックのみで行われています。
中~重度でも1回で臭いをゼロにするのは難しい場合があります。

治療法:切開による手術(剪除法/せんじょほう)
特徴と子どもの治療における利点:
ワキガの根本治療として最も確実性が高い保険適用の外科手術。永続的かつ大幅な改善が見込めます。腋を切開しアポクリン腺を取り除く治療です。入院が必要となることが主ですが、外来で行っているクリニックもあります。
デメリット/注意点:
手術なので傷跡が残る。術後の皮膚壊死や感染などのリスクがあります。術後の圧迫固定(1週間)や腕の動作制限(2~3週間)が必要です。

アポクリン腺は思春期に発達するため、成長期に手術を行うとその後の成長で残った汗腺が活発化し、再発の可能性が高くなります。そのため、手術療法は思春期以降に行うことが望ましいとされています。

小中高生の保護者様へ特に知っておいてほしいこと(治療のタイミング)

○手術は再発を考慮して慎重に
アポクリン腺やエクリン腺は思春期以前に切除しても、その後の成長で残った汗腺が活発化し、再発の可能性が高くなります。そのため、手術療法は思春期以降に行うことが望ましいとされています。
○医療費助成制度の活用(剪除法の場合)
保険適用の「剪除法」を選択する場合、自治体によっては高校生以下の医療費助成制度(自己負担分の公費助成)の対象となる可能性があります。ただし、自治体によって条件が異なるため、詳細はお住まいの市区町村にご確認ください。

4.最後に:お子さまの成長を暖かく見守りましょう

ワキガ症状は、お子さんが大人へと成長していく自然な変化の一部です。しかし、その変化が原因で自信を失ってしまう前に、親御さんが正しい知識を持ってサポートすることが何よりも大切です。
まず、ご家庭でできる基本的なケアから始めて、それでも悩みが解消されない場合は専門医に相談し、お子さんの「年齢」「症状の強さ」「生活スタイル」に適した、無理のない治療法を見つけていきましょう。
専門家の診察を受けることで不安が解消され、安心を得られることもあります。お子さんの健やかな成長のために、暖かいサポートを続けていきましょう。

※記事の作成に生成AIを使用しています

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