市販の漢方を子どもに飲ませるときの3つのルールをクリニック院長の中澤先生にお伺いしました

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SNS の「美容・ダイエット目的」子どもは NG

下記は美容やダイエット目的で飲まれる漢方薬ですが、子どもにはリスクの高いものが多いです。
大黄(だいおう)入りの処方(便を出しやすくする成分)は、腹痛・下痢・低カリウム血症(電解質バランスが崩れること)などのリスクがあるため、連用(長く飲み続けること)は避けます
甘草(かんぞう)入りの処方は、まれに偽アルドステロン症(むくみ・高血圧・低カリウム血症)が起きます。
麻黄(まおう)入りの処方は、動悸・不眠などが出ることがあります。

どれも成長期の子どもには不向きです。流行りや口コミでの使用は避け、必ず医療者に相談してください。

知っておいてほしい副作用

滅多にはないですが、漢方は副作用もあります。

間質性肺炎:息切れ・空せき・発熱が続く、など。小柴胡湯など一部の漢方で注意喚起があります。
肝機能障害:だるさ、尿の色が濃い、黄疸(皮ふや白目が黄色い)など。

いずれも疑ったら中止して受診しましょう。公的な注意情報は PMDA(医薬品医療機器総合機構)にまとまっています。

漢方の前に、まず家庭でできること

かぜっぽい
睡眠、加湿、水分。つらい時の鼻洗浄(ぬるめの生理食塩水)も◎。漢方は補助と考え、2~3日で良くならなければ受診します。
便秘
水分・食物繊維・毎日のトイレ習慣が基本。刺激の強い成分入りの漢方を習慣的に飲ませるのは避けます。
粉薬が苦手
顆粒は少量の水でペーストにしてから、さらに水やゼリーで流し込むと飲みやすいです(味隠しの甘い物は少量だけ)。

こんなときは受診・相談

●乳幼児で高熱・ぐったり・呼吸が苦しそう
●2~3日で良くならない/悪化した
持病やいつも飲んでいる薬がある(成分が重なると危険なことがあるため)

まずは薬剤師へ、必要に応じて小児科へ。添付文書や安全情報は PMDA・厚労省のサイトで確認できます。漢方も薬です。注意書きをしっかり読んで、書かれている内容を守ることを忘れずに。

参考文献・公的情報
PMDA(医薬品医療機器総合機構):一般用医薬品の添付文書様式・小児の注意、個別製品の年齢制限・長期連用の注意、甘草関連の偽アルドステロン症、小柴胡湯と間質性肺炎の注意喚起 など
かぜ薬の添付文書様式(小児の注意):
https://www.pmda.go.jp/files/000204752.pdf
甘草含有製剤(グリチルリチン)添付文書例:https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/252468_5200018C1031_2_01
大黄甘草湯(OTC)の年齢制限・長期連用の注意: https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/otcDetail/ResultDataSetPDF/340008_J0601009982_03_02/A
小柴胡湯などと間質性肺炎に関する安全性情報:
https://www.pmda.go.jp/safety/info-services/drugs/calling-attention/safety-info/0147.html
厚生労働省:医薬品の安全対策全般
https://www.mhlw.go.jp/
臨床研究の一例:小青竜湯による花粉症予防効果は明確でなかった無作為化クロスオーバー試験(PMCID: PMC8938619)
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8938619/
日本の漢方利用動向のレビュー(PMCID: PMC12729618)
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC12729618/
服薬の工夫(小児の漢方の飲ませ方の実例など)
日本小児東洋医学会:https://jpsom.org/
製薬各社の服薬指導資料(例:ツムラ「知っておきたい漢方薬のこと 服薬指導7」): https://medical.tsumura.co.jp/sites/default/files/resources/pdf/support/press/shidosen/material-fukuyaku7.pdf

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