目に黒いものが見えると子どもに言われたら。見分けるヒントを眼科医倉員先生にお伺いしました

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見分けるヒントは「片眼?両眼?」

診察の際、眼科医が必ず確認する重要な質問があります。
「その光は、片眼だけで見えましたか?それとも両眼で見えていましたか?」
これは、原因を見極めるうえでとても大切なポイントです。

両眼で見えていた場合
片眼ずつ隠しても同じように光が見える場合、脳由来の症状(閃輝暗点など)の可能性が高くなります。
片眼だけで見えていた場合
片方の眼を隠すと症状が消える場合は、網膜や硝子体(目の中のゼリー状の部分)に原因がある可能性があります。
この場合、網膜裂孔、網膜剥離の前兆といった、見逃してはいけない病気が隠れていることもあるため、早めの受診が大切です。※実際には「どちらだったか分からない」ことも多いため、その場合は症状の経過や検査結果を総合して判断します。

子どもの飛蚊症は「大人と同じ」とは限らない

飛蚊症(黒い点や糸くずのようなものが見える症状)は、年齢によって原因が大きく異なります。

大人(40代以降)に多いケース
加齢により、目の中の硝子体が縮み、網膜から剥がれる「後部硝子体剥離」が主な原因です。光視症と飛蚊症が同時に起こることも多く、注意が必要です。
子ども・若い世代の場合
硝子体に弾力があり、網膜としっかりくっついているため、大人と同じ原因はほとんど起こりません。そのため、生まれつきの血管の名残、生理的な飛蚊症であることも多く、黒い点が同じ場所に見えるという訴えにつながることがあります。
ただし、目をぶつけた後目の炎症、強い近視などがある場合は、慎重な判断が必要です。
「子どもだから大丈夫」と自己判断しないことが大切です。

子どもにやさしい検査が可能な時代に

「目の病気なのか、脳の反応なのか」を見極めるためには、眼底検査が欠かせません。
近年は、散瞳(瞳孔を広げる目薬)を使わずに、数秒で網膜の広範囲を撮影できる検査機器が普及しています。そのため、学校の合間小さなお子さんでも、負担を抑えた検査が可能になっています。

まとめ「消えたから安心」とは限りません

お子さんの「光」や「黒い点」は、脳からの一時的な反応なのか、目からの大切なサインなのかを見極めることが、将来の視力を守る第一歩です。
判断に迷ったら、早めに眼科専門医へ相談することをおすすめします。

※文章の一部のリライトにAIを使用しています。

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