子どもが下痢になった時は?家庭でのケアと食事のポイントについて小児外科専門医竹内先生にお伺いしました

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下痢のときの食事はどうする?

下痢のときは、胃腸が弱っているため、消化の良いものを食べさせてあげることが基本です。診察室ではよく「便の硬さと同じくらいの硬さのものを食べさせてあげましょう」とお伝えしています。これは、弱った腸の消化・吸収能力に合わせた食事形態にすることで、腸への負担を和らげ、回復を助けるという考え方に基づいています。

なぜ「便の硬さ」に合わせるの?

下痢をしているときの腸は、食べ物を消化し、水分や栄養を吸収する力が弱まっています。そこに普段通りの食事や、消化の悪いものを入れてしまうと、さらに下痢が悪化したり、腹痛を引き起こしたりすることがあります。便が水っぽくなっているということは、それだけ腸が水分を吸収できていない証拠です。そのため、食事も水分に近い、消化しやすい形態にすることで、腸への負担を最小限に抑えることができるのです。
医学的には、便の硬さは消化過程で身体が吸収する水分の量によって決まります。通常、食べ物が大腸を通過する際に、結腸が水分を吸収しながら便を形成します。下痢の時期に合わせて食事の形態を変えることは、弱った腸の消化・吸収能力に負担をかけず、栄養補給と腸の回復を同時に実現する、医学的に根拠のある方法なのです。

便の状態別・食事のステップ

ステップ1:水のような下痢(水様便)のとき
この時期は、まず脱水を防ぐことが最優先です。食事は無理強いせず、水分補給を中心に行いましょう。経口補水液は、ナトリウムやカリウムなどの電解質を含んでおり、単なる水よりも効率的に水分と栄養を補給できます。湯冷まし、麦茶、具なしの野菜スープなども良い選択肢です。ポイントとしては、一度にたくさん飲ませると吐いてしまうことがあるため、スプーンや哺乳瓶で少量ずつ、こまめに与えることが大切です。

ステップ2:ドロドロの便(泥状便)のとき
少しずつ腸が回復してきたサインです。水分補給を続けながら、ペースト状の消化の良いものを試してみましょう。10倍がゆ、ポタージュスープ、すりおろしリンゴ、野菜の裏ごしなどが適切です。この段階では、脂肪分や食物繊維の多いものは避け、炭水化物を中心にエネルギーを補給することが重要です。栄養学的には、消化しやすい炭水化物は腸への負担が少なく、エネルギー補給に最適です。

ステップ3:やわらかい便(軟便)のとき
回復期に入り、便が少しずつ固まってきたら、食事も徐々に形のあるものに戻していきます。やわらかく煮たうどん、おかゆ、豆腐、白身魚、鶏のささみ、よく煮た野菜などが良い選択肢です。この段階では、タンパク質の補給も重要になってきます。ポイントとしては、味付けは薄めにし、食材は細かく刻んだり、やわらかく煮込んだりする工夫をしましょう。

下痢のときに避けたい食べ物

脂肪の多いものは消化に時間がかかるため避けるべきです。揚げ物、ラーメン、脂身の多い肉などは、弱った腸に大きな負担をかけます。
食物繊維の多いものも、この時期には適切ではありません。きのこ、海藻、ごぼう、玄米などは、腸の動きを活発にしすぎてしまい、下痢を悪化させる可能性があります。
乳製品についても注意が必要です。牛乳、ヨーグルト、チーズなどに含まれる乳糖が、下痢を悪化させることがあります。腸炎中には、一時的に乳糖を分解する酵素の活性が低下するため、乳製品の摂取は控えましょう。
冷たいもの・甘いものも避けるべきです。アイスクリーム、ジュースなどは、腸を刺激し、症状を悪化させる可能性があります。
柑橘系の果物も、この時期には適切ではありません。みかん、オレンジなどに含まれる酸が、腸を刺激することがあります。

市販薬の使用について

下痢止め薬の使用については、医師の指示を仰ぐことが重要です。一般的に、小児の急性下痢では、脱水の予防と栄養補給が最優先であり、下痢止め薬は必ずしも必要ではありません。むしろ、下痢は身体が病原体を排出しようとする自然な反応であり、無理に止めることで、かえって症状が悪化することもあります。市販薬を使用する場合は、必ず小児科医に相談し、お子さんの年齢と症状に適したものを選択してください。

まとめ

お子さんの下痢は、保護者にとって心配な症状ですが、慌てずに対応することが大切です。まずは、お子さんの全身状態をよく観察し、「危険なサイン」がないかを確認しましょう。食事は、弱った胃腸を休ませることを第一に考え、「便の硬さ」を目安に、消化の良いものから少しずつ進めていくのがおすすめです。
この記事で紹介した情報が、ご家庭でのケアの参考になれば幸いです。

本記事の作成にあたり、文章表現の確認や校閲の一部に生成AIを使用しております。

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