頭の形って成長したら治るの?家庭でできる予防・改善策について小児外科医澁谷先生にお伺いしました

アイコンイメージ

まずはご家庭でできる改善・予防策

ゆがみが軽度の場合や、生後3ヶ月未満の赤ちゃんには、日々のちょっとした工夫で改善・予防が期待できます。
・向きをこまめに変える:
ベッドに寝かせる際は、毎回頭の向きを変えたり、ベビーベッドの向きを日替わりで変えたりしましょう。赤ちゃんは光や人のいる方向を向くため、視覚的な刺激を利用するのも良い方法です。また、授乳のたびに抱く腕を左右交代にすることも、首の向きの偏りを減らす助けになります。
抱っこや姿勢替えを増やす:
起きている間は、長時間同じ姿勢で寝かせっぱなしにせず、抱っこひもで縦抱きにしたり、抱っこする時間を増やしたりして、後頭部への圧迫を減らしましょう。
タミータイム(うつぶせ遊び)の活用:
タミー(英語:tummy)とは『お腹』のことで、起きている間に赤ちゃんを腹ばい(うつぶせ)にすることで後頭部へ持続的な圧が加わることを避ける方法です。

◇赤ちゃんが起きているときに、保護者が見守りながらうつ伏せで遊ばせる時間を取り入れましょう。これは頭の同じ箇所への圧力を減らすだけでなく、首や背中の筋肉を鍛え、運動発達を促す効果があります。
◇生後すぐ(退院直後)から、機嫌の良いときに1回3~5分程度、1日2~3回を目安に始め、徐々に時間を延ばし、首がすわる頃には1日合計30~60分を目標に、無理のない範囲で増やしましょう。
◇ママ・パパの胸の上でうつ伏せにしたり、横に寝転んで声をかけたりすると、赤ちゃんも安心しやすくなります。
◇顔がマットや布団に沈み込んで鼻や口が塞がれていないか常に確認し、柔らかすぎる布団やクッションの上では行わないなど、安全には十分注意してください。うつぶせにしたまま寝かせることは窒息のリスクとなるため絶対に避けてください。

改善できるのはいつまで?治療の最適なタイミング

赤ちゃんの脳は2歳までに成人の約70%にまで急速に成長し、それに伴い頭蓋骨も大きく変化します。赤ちゃんが寝返りを打ったりお座りを始めたりすると後頭部へかかる圧が減るため、頭の歪みの多くは自然に解消されますが、重度の変形がある場合は治療の適応となることがあります。

◎位置的頭蓋変形症(ヘルメット治療)
○重度の変形があり、自然療法で改善しない場合はヘルメット治療の効果があることがあります。
○保険適応はないため、自費での治療になります。
○入浴の時以外はヘルメットを着用する必要があり、頭の蒸れや皮膚潰瘍などのトラブルが起こることがあります。

○治療期間は5~6ヶ月でヘルメットの調整のために定期的な通院が必要です。
○ヘルメット治療が最も効果的とされるのは、頭の成長が活発な生後4〜6ヶ月頃です。この時期に治療を開始することで、より高い改善効果が期待できます。
○生後7ヶ月以降は効果が落ちるとされ、2歳を過ぎるとヘルメット治療の効果はないため、気になる場合は早めに相談することをお勧めします。

◎頭蓋骨縫合早期癒合症(手術)
○経験豊富な小児脳神経外科医と小児形成外科医による治療が必要です。脳の発育への影響を考慮し、1歳前に手術を行います。ヘルメット治療で直すことはできないので、疑わしい場合は適切な検査を受けることが必要です。

赤ちゃんの健やかな成長のために心配なときは、迷わず専門家へ相談を

赤ちゃんの頭のゆがみは多くの場合、成長に伴って目立たなくなります。また、早期にケアを行うことで変形が進むのを予防することができます。また、頭のゆがみは運動発達の遅れのサインであることもあるので、以下のような場合はまずはかかりつけの小児科医にご相談を。
・月齢が進んでも頭のゆがみが強い、または左右差が広がっていると感じるとき。
・赤ちゃんに強い向き癖があり、常に同じ方向にしか頭を向けられない様子があるとき。
・生後3〜4ヶ月を過ぎても、明らかなゆがみが残っているか悪化しているとき。

赤ちゃんの成長はあっという間です。「もっと早く相談すればよかった」と後悔しないためにも、少しでも気になることがあれば、まずはかかりつけの小児科医や専門の相談窓口に気軽に相談してください。

※本コンテンツは、AIが生成したテキストを医師が編集・監修しています。

この記事をSHAREする

この記事をSHAREする