頭の形って成長したら治るの?家庭でできる予防・改善策について小児外科医澁谷先生にお伺いしました

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産まれたばかりの我が子の頭の形が気になる・・・成長すれば治るもの?気を付けることはある?そんな悩みについて、小児科医であることびあクリニック恵比寿院の澁谷聡一先生にお伺いしました。

「赤ちゃんの頭の形が気になるけど、『自然に治る』って聞いたから様子見で大丈夫かな・・・」と悩むママやパパは少なくありません。赤ちゃんの頭のゆがみは成長に伴って改善されることがほとんどですが、極端な変形は将来的にも残ることがあります。
赤ちゃんの頭のゆがみの種類から、ご家庭でできる予防・改善策、そして専門的な治療法、さらには治療の最適な時期まで、気になる情報を詳しく解説します。大切な赤ちゃんの健やかな成長のために、正しい知識を身につけ、安心してケアしていきましょう。

赤ちゃんの頭のゆがみってどんな種類があるの?

赤ちゃんの頭のゆがみはほとんどが「位置的頭蓋変形症」ですが、手術による治療が必要な「頭蓋骨縫合早期癒合症(ずがいほうごうそうきゆごうしょう)」と鑑別することが大事です。

1.位置的頭蓋変形症:
外部からの圧力が原因で起こるゆがみです。これはさらに形によって3種類に分けられます。脳の発達への影響はありませんので見た目だけの問題です。

・斜頭症(しゃとうしょう):
頭を上から見たときに後頭部が斜めに平らになり、左右非対称な状態です。寝る向きの癖(向き癖)や抱き癖、子宮内の環境などが主な原因となります。ゆがみが進むと、耳や顔の位置にも左右差が出ることがあります。

・短頭症(たんとうしょう)(絶壁頭):
後頭部全体が丸みを帯びずに平らで、頭の横幅が広い状態を指します。日本では仰向け寝が一般的だったため、昔からよく見られたゆがみです。

・長頭症(ちょうとうしょう):
頭部が縦に細長く伸び、後頭部が大きく突き出した状態です。NICU(新生児集中治療室)に長期入院していた未熟児の赤ちゃんに見られる傾向があり、本来であれば子宮の中で羊水に浮いている時期を保育器の中で過ごすことが原因です。

2.頭蓋縫合早期癒合症(ずがいこつほうごうそうきゆごうしょう)
2,500人に1人の確率で認められる比較的、稀な病気です。頭蓋骨のつなぎ目(頭蓋縫合)が脳の成長よりも早くくっついてしまう先天性の病気です。脳の成長が妨げられるため早期の診断と専門的な治療(手術)が必要です。大泉門と呼ばれる赤ちゃんの頭にある柔らかい凹みが生まれてすぐに閉じている場合、本疾患の可能性があるため注意が必要です。

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