
子どもでも腱鞘炎になる?
子どもでも、スポーツ・楽器・ゲーム・スマートフォン・タブレットなどで同じ指や手首を長時間使うと、腱鞘炎のような症状が出ることがあります。
ただし、小さなお子さんで「親指が曲がったまま伸びにくい」「伸ばそうとすると引っかかる」場合は、大人の使い過ぎとは異なる「小児ばね母指」の可能性があります。親指の付け根付近で腱の動きが引っかかる状態で、以前は「先天性ばね指」とも呼ばれましたが、成長の途中で気づかれることもあります。自然に改善することもありますが、待てる期間や手術の要否は程度・年齢・生活への影響で変わります。親指が伸びにくい、痛がる、左右差がある場合は、小児整形外科または手外科を扱う整形外科で相談しましょう。
女性に腱鞘炎が多いといわれる理由
理由は一つではありません。妊娠・出産・産後・更年期などホルモン環境が大きく変化する時期に起こりやすいことが知られ、日本整形外科学会もドケルバン病は妊娠出産期や更年期の女性に多いとしています。
妊娠中や産後はむくみが出やすく、腱や腱鞘のまわりの状態も変化します。妊娠・出産期には腱鞘をしめる働きのあるホルモン(プロゲステロン)が増えて腱の通り道が狭くなりやすく、更年期には腱や関節を柔軟に保つホルモン(エストロゲン)が減ることなどが関わるとされます。さらに産後は抱っこ・授乳・沐浴・荷物運びなど手首や親指を使う場面が急に増え、これらが重なってドケルバン病が起こりやすくなります。
つまり「女性ホルモンだけが原因」ではなく、ホルモン変化・むくみ・育児動作・家事・仕事・スマートフォン操作などが重なって起こると考えるとわかりやすいでしょう。
その他、知っておいてほしいこと
特に大切なのは「痛みを我慢して使い続けないこと」です。手は毎日使うため、いったん悪化すると生活全体に影響します。
腱鞘炎やばね指は「手の使い過ぎ」だけの病気ではなく、体質や持病も関係します。とくに糖尿病があるとばね指を起こしやすく、一般では一生のうち約40人に1人(約2.6%)とされる割合が、糖尿病では約10%(10人に1人程度)まで高まると報告されています。関節リウマチや甲状腺の病気でも起こりやすくなり、なかなか治らないときは全身の健康を見直すきっかけにもなります。
次のような場合は、早めに整形外科を受診してください。
○痛みが1〜2週間以上続く/手首や指が腫れている場合。
○親指側の手首が痛く、物をつかむ・ひねる動作がつらい場合。
○指が曲がったまま戻りにくい、戻すときに「カクン」と引っかかる場合。
○赤く腫れて熱を持っている、しびれがある場合。
○赤ちゃんを抱っこできない、家事や仕事に支障が出ている場合。
特に赤く腫れて熱を持ち、触るだけで強く痛む場合は、感染など別の病気が隠れていることもあり早めの受診が必要です。また、関節炎・骨折・神経の圧迫・関節リウマチなど別の病気が原因のこともあります。診断がつけば、装具・薬・注射・リハビリ・手術など症状に合った治療を選べます。
手の痛みは「自分が我慢すればよい」と考えず、早めに負担を減らし、必要なときは専門家に相談してください。保護者の手を守ることは、毎日の育児と生活を守ることにもつながります。
参考資料
・日本整形外科学会「ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)」「ばね指(弾発指)」
・PMDA「NSAIDsの妊婦等への使用上の注意改訂関連資料」
・小児ばね母指の自然改善に関する系統的レビュー:Journal of Orthopaedic Surgery and Research(2024年)
・AAOS(OrthoInfo)“De Quervain’s Tenosynovitis”/Anderson SE, et al. “Baby Wrist”. AJR 2004/Persson Löfgren J, et al. Diabetes as a Risk Factor for Trigger Finger. 2021
※本記事の作成・推敲にあたり、文章構成案および表現整理の補助として生成AIを使用しました。医学的内容については医師が確認し、必要に応じて公的機関・専門学会等の情報を参照しています。
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