ただ、親だけが前のめりになって、家庭で「先生」をやろうとしすぎると、バトルになってしまうことがあります(苦笑)。
家庭学習で親子関係が悪化してしまったら、本末転倒ですよね。
サポートその2.良好な親子関係を保ちながら学習習慣をつける
子どもの家庭学習において、
「親御さんが先生になる必要はない」
と言われるのは、先生(教科書)との共通言語で教えられないことによる子どもの混乱を避ける、という理由からだと思います。
そして、もう1つの大きな理由は、親子関係を悪化させないため。
私は、かれこれ20年くらい、何らかの形で教育現場に関わる仕事をしてきました。
その経験から、子どもの学習における家庭の役割は、教える内容よりもむしろ、家庭学習の習慣づけの方にある、という思いを、年々強くしています。
学習習慣さえつけば、親が教えられない内容を習うようになってからも、自分で勉強することができるようになるんですよね。
毎日の学習は、1日何ページとか、1日何時間とか、そういうノルマ的なことではなく、今日は何をできるようになったかで考えます。
学校の先生は、毎回、
「今日はこれを理解するために、この順番でこれについて考えさせる」
とか、
「今日は昨日の理解を定着させるためにこの問題を解き、定着したことを確認できたら次のステップに移る」
などと、明確な指導案(めあて)を持って授業をしています。
家庭では、
「その日のめあてをクリアできたか」
という観点を、保護者が見守れば良いと思います。
10ページやろうが5時間やろうが、その日のめあてをクリアできていなければ意味がありません。逆に言うと、めあてがクリアできたなら、1ページで終わっても30分で終わってもいいのです。
親が気を配ってやるのは、
「その日、できるようになった(定着した)ことがあるか」
だけで良いと思います。
私がしていた具体的なサポートは、次のようなことです。
<小学校時代>
①学校の宿題を見る。
②子どもが1人勉強の内容に困っていたら、
「今日習ったことは何?」
と聞いて説明させ、
「その練習ができる問題はどれ?」
と、一緒に例題(教科書やドリルなど)を探して取り組ませ、できたかを確認する。できていなかったら、後日また復習するようにうながす。
<中学校時代>
①中間・期末テストの計画立てを確認して、
「もう少しアウトプットの練習(問題演習)を増やしてみたら定着するんじゃない?」
などとアドバイスする。
②学校のワークを2周してもなお間違える問題を、できるまで反復できるように、裏紙やホワイトボードに書き出しておく。
部活が忙しかった中学校時代は、ミス問題を書きだしたり、コピーを取ったりなどの作業系にかける時間が物理的に取れないことが多かったので、その部分はサポートしました。
こうして、毎日の学習の回し方をつかませ、習慣化させたことによって、高校生になった今では、私はほぼノータッチでも勉強できるようになりました。私は、進捗状況をときどき確認する程度です。
・まずは教科書を見て、できるだけ先生(教科書)との共通言語で教え、学習のしかたをつかませる(学習習慣をつける)ことを意識する。
・子どもが多忙で間に合わない作業(ミスを繰り返す問題を書き出す、コピーを取るなど)は、割り切ってサポートする(そのうち要領をつかんで自分でできるようになります)。
親だけが前のめりにならずに、家庭学習で子どもとコミュニケーションを取ろう、という気持ちでいたほうが、親子の関係を良好に保ちつつ、子どもに学習習慣がつくのではないかなと思います。
長い休校期間...。
せっかくなので、のちのち自分で勉強できる力(学習習慣づけ)も意識しつつ、有意義に使いたいですね。