子どもが「カラコンをしたい!」と言った時、親として何を気をつける?いわみ眼科理事長 岩見先生に伺いました!

子どもがカラーコンタクトをしたいと言ったとき、親として何に気を付ける?そもそも、使用させていいものなの?そんな悩みについて、眼科医の視点から、医療法人社団久視会いわみ眼科理事長 岩見久司先生にお話しいただきました。

子どものカラーコンタクト使用について

コンタクトレンズにさまざまな色を織り込んだものがカラーコンタクトレンズになります。おしゃれを追求する方々にとって大事な道具の一つといえるでしょう。
しかし、コンタクトレンズについて、実は安易に考えてはいけません。コンタクトレンズは高度管理医療機器に指定されているものだからです。
さらに、子どもたちならではの注意点があります。

カラーコンタクトレンズは眼科で処方してもらう必要がある

コンタクトレンズは目の粘膜に直接触れるものであり、日本では高度管理医療機器とされています。
規制緩和があり、販売者が高度管理医療機器に関する講習を受けていればコンタクトレンズは販売可能になってはいます。しかし、下記の注意点について十分に説明されているとはいえず、また使用時にはそういった指導を受ける必要があるため、眼科で処方を受けてください。量販店で、高度管理医療機器の認証の無い物を使うのはもってのほかですが、認証を受けていれば良いというものではありません。使用することにリスクが存在するからです。

コンタクトレンズ管理についてきちんと知る必要がある

コンタクトレンズは1dayの使い捨てレンズを除いて毎日洗浄と消毒を行う必要があります。また、1dayならその日限り、2weekなら開封して2週間で使い捨てる、これらの使用期間を守らなければいけません。これらを守らない場合に感染やアレルギーが生じることがあります。
感染とは細菌や寄生虫などの病原体が主に黒目のところ(角膜)に付く状態です。洗浄や消毒が不十分、ないし使用期間を超えて使い続ける場合に生じます。目の痛みや充血、視力低下が生じ、治療が間に合わない場合失明する場合もあります。
アレルギーとは同じく洗浄が不十分な場合に、汚れに対して生じるもので巨大乳頭結膜炎と呼ばれます。目の痛みや異物感、眼脂(がんし:いわゆる目ヤニのこと)、充血が生じ、コンタクトが使えなくなることもあります。

子どもの特性についてきちんと知る必要がある

一般に子ども達は心身の不調を訴えるのが苦手です。例えば片目が失明していてもその発見が何年も遅れるようなことも珍しくありません。
なぜなら子どもたちは、不調を感じたとしても、その伝え方を知らないのです。違和感や痛みを感じても、「おかしい」「痛い」ことだとは思わなかったり、普通のことだと思い込んで、周りの大人へ伝えきれないこともあります。感染やアレルギーは早期に見つけなければいけません。しかし、子どもたちは痛みに対してですら、目をこすったり、目を閉じたりすることで対応しようとします。子どもたちの「だいじょうぶ!」は当てにならないことも知っておいてください。

子どものカラーコンタクトは全面的に親の責任で使う

率直に言って、眼科医からすると「子どものカラーコンタクトは望ましくない」です。例えばスポーツの関係や、近視治療を行うためにコンタクトレンズを使うなら十分に注意をする条件で認められます。
しかし、おしゃれと引き換えに子どもに目のトラブルを背負わせるのはリスクが高すぎると考えます。
どうしてもさせたい場合は、親の責任として、使用上の注意をよく守り、かつカラーコンタクトの使用前後は目の状態を確認して充血や眼脂がないか確認を続けてください。さらに、トラブルがあれば速やかに使用を中止して、眼科を受診するようにしてください。大人でもカラーコンタクトレンズによるトラブルは珍しくありません。
これらの情報をふまえて、眼科でしっかり指導を受けたうえで使うようにしましょう。

執筆者

岩見久司先生
大阪市立大学医学部卒
医療法人社団久視会 いわみ眼科理事長
眼科専門医
医学博士
兵庫医科大学非常勤講師

経歴
1日100人を超す外来をこなしながら、若手医師の教育や医師・医療関係者向けの講演も頻繁に行っている。
加齢黄斑変性や糖尿病網膜症などを得意とする網膜内科医。
網膜の病気に将来繋がっていく可能性のある小児の近視が現在急増しており、近視治療にも積極的に取り組んでいる。
令和5年度より、「100歳まで見える目」をたくさんの方が持てるように啓蒙活動を展開中。

いわみ眼科ホームページ
https://iwami-eyeclinic.com

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