子どもが冷たいものを飲むと歯が痛いと言い出だした!これって知覚過敏?
でも、子どももなるの?そんな疑問に、医療法人時和会 理事長 呉本 勝隆先生に前後編にわたってお話を伺いました。
今回は前編です。
子どもが歯の痛みを訴えた時、親御さんはとても心配になると思います!
子どもの歯が痛い原因は、虫歯の事が多いですが、全てではありません。
では、歯が痛い原因にはどのようなものがあるでしょうか?
ご紹介していきます。
(1)虫歯による痛み
(2)歯の生え変わりによる痛み
(3)歯が欠けたり、折れたりした時の痛み
(4)口内炎による痛み
(5)中耳炎など、耳の疾患による痛み
(6)知覚過敏による痛み
などが考えられます。
今回は中でも、知覚過敏について、お話をさせていただきます。
知覚過敏というと、「大人の症状」というイメージがあるかもしれませんが、年齢に関係なく子どもたちにも起こり得るものです。
特に乳歯は、永久歯よりもエナメル質が薄く知覚過敏を起こしやすい歯と言えます。
子どもたちにも知覚過敏はあるの?
子どもたちも、知覚過敏に悩まされることがあります。これは感覚が通常よりも鋭敏である状態を指し、例えば光や音、触覚に対して敏感に反応することが挙げられます。子どもたちが知覚過敏になる原因は様々ですが、考えられるのは、歯ぎしり、食いしばり、噛みしめなどです。
また、必要以上に強すぎるブラッシングや、歯周病によっても引き起こされることがあります。
こうした原因を取り除くことが知覚過敏の改善にはもっとも効果的ですが、すぐに症状を抑えたい場合は歯の表面にコーティング剤を塗布します。
冷たいものがしみるときは、どうしたらいい?
知覚過敏に悩む子どもたちは、過度に冷たい飲み物や熱い物を控え、常温にするなどして工夫しましょう!
知覚過敏の場合、歯磨き粉に含まれる研磨剤が症状を悪化させることもあるため、研磨剤が入っていないものや、低研磨のもの、フッ素入りの歯磨き粉の使用をおすすめいたします!
また、歯科医院に相談することで、専用の歯みがき粉や適切なアドバイスを得ることができます!
歯科医院にいけば知覚過敏は治る?
歯が冷たいものに過敏な場合、歯科医院の診察が必要ですが、治療法はさまざまです。
歯のクリーニングやフッ素塗布などが行われ、症状が軽減されることがあります。
ただし、一度の診察で完全に解決するケースもあれば、継続的なケアが必要なケースもあります。歯科医師、歯科衛生士とのコミュニケーションを大切にし、お子さまの状態に合わせたアプローチを検討しましょう。
今回は子どもの知覚過敏についてお話ししました。次回は予防方法についてお話しします。
執筆者
呉本勝隆(くれもと・かつたか)先生
歯科医師
経歴
医療法人時和会理事長。クレモト歯科なんば診療所院長。日本歯科保存学会専門医。WCOI(世界口腔インプラント会議)専門医。子どもから高齢者まで幅広い年齢の患者が通えるよう、さまざまな診療内容を扱う。重度の虫歯治療(根管治療)から、歯周病やインプラント、口腔(こうくう)外科、審美歯科、ホワイトニング、入れ歯治療まで対応している。
日本口腔インプラント学会会員、日本歯科保存学会会員、日本歯内療法学会会員、日本歯科顕微鏡学会会員
クレモト歯科なんば診療所