子どもの態度にイライラ・むしゃくしゃ・・・そんな時はどうやって収めたらいい!?そんな悲鳴について、臨床心理士であり、小学校教諭、保育士の資格もある一般社団法人マミリア代表理事 鎌田怜那さんからお話しいただきました。

<子どもとの関わり方>
まずは程よく見てみぬふり・聞き流す。
子どもの言動に対して言いたいことはたくさんあるでしょうが、「言ったところで・・・」というのが現実ではないでしょうか。こちらが本気になればなるほど、子どもはあなたを傷つけたり逆撫でたりします。なので、お互いのために『見て見ぬふり・聞き流す』です。
しかし、いつも見逃していると子どもも『許されている』と傲慢になったり、『自分は見放された』と孤立したり・・・といろんな勘違いをますので、5回に1回くらいは「わかってると思うけど・・・」と言いたいことを伝えてみてください。
子育てには正解がないので、万能な方法はありません。また、親子の相性や子どものタイプなども影響しますので、対応も『我が家・我が子の場合はどうかな?』とちょうど良い塩梅を探り続けてください。
親が強く姿勢を示すべき時は『危険な時』
親が強く姿勢を示すべき時は、幼児のイヤイヤ期の時と同じように『危険な時』です。
思春期の子どもたちは、自分を傷つけ、自分を罰することで、不快感を発散することがあります。それが簡単で手っ取り早いですし、癖にもなるのでなかなか止められない場合もあります。
親に見せられない『本当の自分』が露呈する局面でもあるので、必死に隠そうとします。体の傷や食べ吐きしている現場を暴く必要はありません。そうしてしまっている子どもを罰する必要もありません。
『今こそ向き合うべき時』と捉え「あなたがこんなに苦しんでいることに気づいていなかった」と苦しみに触れてみてください。「あなたのことが大事」「あなたの命・健康が大事」と伝えてください。
この時は『見て見ぬふり・聞き流す』はお勧めしません。親だから話せないという子もいます。そのような時は、専門家の力を借りることも選択肢の一つとして考えてみてください。
このように、思春期はこれまでのやり方が通用しなくなるので、手詰まりな感じになります。親の自分が無力に感じることも多いのではないでしょうか。
この時期は、周りの助けを借りることも大事です。学校の先生、習い事・塾の先生、近所の人、保護者仲間など『重要な他者』の存在は欠かせません。家庭で抱え込まずに、周りの力も頼ってみましょう。
<メンタルケアの方法>
・子どものためにやっていたことを少しずつ辞めてみる
洗濯物を片付けたり、部屋の掃除など。
・自分の時間を大事にする
ランチに出かけたり、趣味にハマる時間を作ったり、自分中心に行動する。
・子どもの幼少期の写真を見返す
もうあの頃の我が子ではない・・・わかっているはずなのに、幼少の頃と同じように関わっていませんか?親子の距離を少し見つめ直しましょう。親離れより子離れの方が難しいのかも⁉︎
・ママ友などと愚痴大会
同年代の子を持つ親同士、日頃のイライラを聞いてもらっていると「ウチもよ!」となるでしょう。なんだ、この時期のあるあるだったのか・・・と思えるだけで、ずいぶん楽になります。
・子どもが巣立った後のライフプランを考える
『今』にとらわれていると、なかなか先が見えず、悩みも深くなりやすいです。あなたが幸せでいることを子どもたちは望んでいます。あなたがやりたかったことはなんですか?きっと子どもが応援してくれますよ。
・外でリフレッシュしてから家に帰る時には『お母さんスイッチ』をオンにすることをお忘れなく!
外でリフレッシュして、そのままのモードで帰宅すると、いつもの様子を目の当たりにして「せっかくリフレッシュしてたのに~」と無性に腹が立って、すぐにイライラで爆発してしまいます。
子どもたちは、あなたがリフレッシュしたことなんて知らないですし、関係ないですし・・・。なので、オンとオフを切り替えるのはとっても大事です。
・その他
運動やアロマ、温泉など、あなたを癒してくれるストレスマネジメントならなんでもOK!整体やエステなどはお勧めです。誰かにケアしてもらう体験はとっても癒されます。
パートナーとのかかわり方も大切
ここまで、子育てのパートナーである夫婦の関係について触れていませんでした。子どもが反抗期になると、みんながイライラして、夫婦関係も子どもの対応をめぐってギクシャクしがちです。落ち着いて夫婦で話し合えるのであれば、向き合う時間をつくるのも良いです。
しかし、それが難しいようであれば、無理やり向き合う必要はありません。子ども側からすると、両親が自分のせいでケンカしたり対立したりしていると、反抗心を内に抱え込んだり、家が居づらくなったりしてしまいます。
重要なのは『役割分担』。片方が叱れば、片方が共感役・・・というように、分業できるといいですね。
また、子どもが思春期の時は、親は更年期であることがほとんどです。親も子もホルモンに翻弄されている時期です。子どものことはもちろん大事ですが、まずは自分の体、自分の心を大事にしてください。「私」が落ち着いて安定していれば、我が子の反抗も可愛く見えてきます。