野菜を食べないのは当たり前?管理栄養士が教える偏食との向き合い方

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食べるより先に「興味を持つ」ことから

子どもに対して、つい食べさせることに意識が向きがちですが、『食材に親しみを持つこと』も大切です。
たとえば、
・一緒にスーパーに行って、野菜や果物を選ぶ
 →「にんじんは何色?オレンジできれいだね〜」など声をかけながら
・一緒に料理をする
 → ちぎる・混ぜる・のせるなど、簡単な工程をまかせてみる

食材の名前・色・手触り・匂いなどを一緒に楽しむことで、「食べ物って面白い」と子どもの中に自然な興味が芽生えると、「食べてみようかな」への第一歩につながります。
食材に触れることは、0歳からできる立派な食育で、離乳食期の子にもオススメです!

偏食って、どこまでが「普通」?

偏食があっても、健康や発育に問題がなければ、基本的には心配しすぎなくて大丈夫です。
ただし、以下のような場合は、医師や管理栄養士に相談することをオススメします。
●極端に食べる品目が少なく、体重が増えない/減っている
●食べる量が著しく少ない、水分ばかりとっている
●野菜をまったく受けつけず、便秘や肌荒れが続いている
●食事の時間になると泣いたり、逃げたりしようとする

こうした場合、心理的な要因や発達特性が関係していることもあります。無理に家庭内だけで解決しようとせず、専門家からのアドバイスを取り入れることが大切です。

今の時代、ネットやSNSでたくさんの情報に触れることができますが、お子さんの状況は一人ひとり違うからこそ、「気になるな」と感じたら専門家に相談してみてください。
一人で抱え込まずに、安心できる選択をしていきましょう。

『嫌い』の理由を聞いてみるのも◎

「野菜イヤ!」と言っても、『何がイヤなのか』は子どもによって違います。
食感・味・におい・見た目・過去の苦い経験・・・さまざまな理由があるものです。
お話ができる年齢になってくると、嫌な理由をやさしく聞いてみて、子どもと一緒に「どんな風に調理したら食べられそうかな?」と考えてみるのも一つです。
焼くより煮る、切り方や形を変える、味付けを変える・・・といったように、ちょっとした工夫で、食べられるようになることもあります。さらに、親の言葉がけにもひと工夫を。

つい「うちの子、野菜食べないのよ〜」と言ってしまいがちですが、野菜をひとくくりにするのではなく、どの野菜が・どんな調理ならOKかを一緒に探ることがポイント。

「チンジャオロースのピーマンなら食べられたね!」
「トマトは無理だけど、ミートソースはパクパク食べてたね!」

など、『できた経験』を声に出して伝えることで、子どもも「野菜だから無理!」と決めつけず、「食べられる野菜がある!」という小さな自信が、『食べられるもの』を少しずつ増やしていくことにつながります。

おわりに:がんばりすぎなくて大丈夫!

子どもの偏食は、親のせいでも育て方の問題でもありません。
「今はその時期なんだな」と、一度気持ちをゆるめてみてください。
無理やり食べさせることより、「食べるって楽しい」と思える体験の積み重ねこそが、子どもの『食べる力』を育てます。そして何より、困ったときは、栄養士など専門家に頼ってみてほしいです。
楽しく食事ができるよう、あなたのペースで、できることから一緒に始めてみましょう。

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