野菜を食べないのは当たり前?管理栄養士が教える偏食との向き合い方

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子どもの偏食が気になる、好き嫌いを直したいけれど、どうしていいか分からない・・・そんな悩みについて、今回は管理栄養士として保育園での勤務があり、ご自身も二人のお子さんを育てている三木彩さんに「偏食との向き合い方」についてお話しいただきました。

「うちの子、野菜をまったく食べなくて・・・」
「このままで大丈夫かな?」
子どもの食べムラや偏食に悩む保護者の方は多いと思います。でも実は、乳幼児期の偏食はごく自然なこと。味覚の発達途中であったり、においや食感に敏感な時期もあり、偏食になることがよくあります。

親として「栄養が足りてるかな?」「食べさせなきゃ」と心配になる気持ちはわかりますが、無理に食べさせようとすると、かえって『食べること』そのものが嫌いになってしまう危険性も。

そんなとき、どう関わればいいのか?
食べない子に『食べさせる』よりも大切なこととは?

管理栄養士として、そして母としての経験をもとに、子どもの偏食に、『無理なく向き合うヒント』をお伝えします。

苦手な食材は他の食材で補うことも可能

「今日も野菜食べなかった・・・」と気にしすぎなくても大丈夫。苦手な食材は他の食材で補うことも可能です。また、栄養は1日・1食ごとに完璧でなくても、1週間単位で『全体のバランス』が取れていればOKなんです。たとえば、
●野菜を食べないなら、果物や芋類、海藻、豆類で食物繊維を補う
●肉や魚が苦手でも、卵や豆腐、ヨーグルトなどでたんぱく質を摂る
●鉄やカルシウムが気になるなら、きな粉・小松菜・しらす・粉チーズなども有効

工夫次第で、栄養の底上げは十分できます。
「食べない」ことにばかり目を向けず、『食べられるもの』をどう活かすかを考えてみましょう。

楽しく『食べたい!』を引き出す工夫

保育園では食べているのに、家ではまったく食べない。そんな時はお家での安心感から『甘え』が出ているのかもしれません。「保育園で食べてるって聞いたよ!かっこいいとこ見せて!」とポジティブな声かけをしてみるのも一つ。さらに、こんな工夫もおすすめです。
1.子どもが『選べる仕組み』を用意する
ソースやふりかけ、おかかやごまなど、「どれにする?」と子どもに選んでもらいましょう。自分で決めた』という感覚が、食べる意欲につながることがあります。
2.食事に“遊び”の要素をプラスする
動物になりきって「うさぎさんがにんじんを食べるよ〜パクッ」としてみたり、お口をトンネルに見立てて「ピーポーピーポートンネルを通りま〜す。なんの車でしょうか?」とクイズやごっこ遊びを取り入れたりすることで、『楽しい時間』にするのもオススメです。
3.食べなくても食卓に出し続ける
子どもは『見慣れているもの』には安心感を持ちやすいものです。苦手な食材を一口だけでも盛り付けて出し続けてみましょう。気が向いたときに、ある日突然食べることもあります。
4.あえて「大人だけ」に出してみる
子どもには出さず、あえて大人だけに盛り付けていると『ずるい!』と感じて「それなに?食べたい」と思ってくれることもあります。

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