[9]義母の遺産騒動|当てが外れて落胆する義姉、お金が貰えないと分かると仏壇に手も合わせず帰っていく

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前回のお話

20年前義父が亡くなったのをきっかけに、義母のトキさんと同居することになった静江さん。義母とは家事のやり方で衝突したこともあったけど、いつの間にか仲良くなり、今は介護をしながら穏やかな日々を送っていました。ある日突然、義母にお礼を言われた静江さん。義母の死期が近いことを察し、すぐに夫吉雄さんに吉子さんと吉美さんの義姉2人を呼ぶように頼みました。週末、家にやって来た義姉たちが義母そっちのけで遺産の話をしていると、「娘2人に話すからアンタは部屋から出てて」と言われ、静江さんは寂しい気持ちに。その後、上機嫌な義姉たちが出てきて勝手に遺産を分け始めた上に、静江さんが遺産を狙っていると言い出す始末。「お義母さんのお考え通りに従いますから・・」静江さんの言葉に義姉たちは上機嫌で帰っていきました。それから義姉たちが義母に会いに来ることはなく、ついに眠るように逝ってしまいました。葬儀から数日後、遺言書検認の申し立てをした静江さんたちは、指定された日に家庭裁判所に集まることに。遺言書の内容を見るなり「お母さんに裏切られたわ」わなわなと震えだす吉子さん。義母の遺言書には、数年前に義父の遺産を増やそうと手を出した投資で詐欺に遭い全財産を盗られてしまったこと、そのせいで吉子さんと吉美さんに相続するはずの現金がほとんど残っていないことが記されていました。「これって犯罪よね!どうにかして取り返せないかしら」と吉子さんは必死に訴えますが、法学部卒のひろみさんいわく、警察に言ったとしても、犯人を見つけるのも捕まえるのも難しいとのこと。「貴方たちがちゃんと管理してないからでしょう、弁償しなさいよ!」義姉たちの怒りの矛先はなぜか静江さんたちに向きます。吉雄さんが「使い込まれたら困るって静江に通帳を預けることに反対したのは姉さんたちだろう」と言うと、「そ、そりゃそうだけどまさかこんなことになるなんて・・・」とバツの悪そうな顔をしました。

1話目から読む

「どう争っても取り分は増えない」遺産がもらえずショックをうける義姉たち

義母の遺言書には、数年前に義父の遺産を増やそうと手を出した投資で詐欺に遭い、全財産を盗られてしまったこと、そのせいで義姉2人に相続するはずの現金がほとんど残っていないことが記されていました。義姉たちは私と吉雄さんに責任をなすりつけようとしますが、吉雄さんが「静江に通帳を預けることに反対したのは姉さんたちだろう」と言うと「そ、そりゃそうだけど・・・」とバツの悪そうな顔をしました。

「土地はすでに吉雄おじさんの名義で、おばあちゃんの分は建物だけ、この家に価値が残っているとは思えないし・・・どう争ってももらえる遺産は増えないよ」ひろみちゃんがそう言うと、吉子さんは「そんな・・・」とショックをうけます。すると、吉美さんが名案だとばかりに「犯人を捕まえてお金を返してもらいましょうよ」と言いました。

吉美さんの提案に「どうやって?誰にいつ騙されたかも、何にも書いてないんだよ」と聞く涼子。続けてひろみちゃんも「犯人が捕まったとしても、盗られたお金なんてほぼ返ってこないからね?」と現実を突き付けます。その言葉を聞いた義姉たちは、魂が抜けたような様子で、仏壇に手を合わせることもなく帰っていきました。

義姉たちが帰り、やっと平穏が戻った我が家。「休みの日にわざわざごめんね」私は少しばかりの感謝の気持ちに、ひろみちゃんに大福を出しました。ひろみちゃんは、わーいと喜びながら「久しぶりにヒロトを大輔さんに預けていいリラックスになりました、こっちこそ毎度毎度お母さんが失礼でごめんなさい」と申し訳なさそうに言いました。

すると涼子が「でもさ、おばあちゃんらしくないよね、騙されてお金を盗られるなんて」と不思議そうに聞きます。「頭のいい人だったけどな・・・でもそれが老化ってもんなんだろう」と吉雄さんは言いますが、涼子は腑に落ちない様子。

「それに、静江おばちゃんに何もないのも納得できない」キーッと不満そうに言うひろみちゃんに、「いいのよ、お義母さんがありがとうって言ってくれたから」と言いました。「おばちゃんがお世話した分の費用、お母さんたちに請求してもよかったんだよ?」とことん気遣ってくれるひろみちゃん。私は微笑みながら「その気持ちだけで十分よ」と言いました。

遺産の当てが外れて焦る義姉たち。吉子さんは娘のひろみさんに、自分たちの取り分を増やせないか聞きますが、どう争ってももらえる遺産は増えないという言葉にショックをうけます。すると吉美さんが、犯人を捕まえてお金を返してもらおうと提案しますが、犯人が捕まってもお金はほとんど帰ってこないと聞くと、魂が抜けたように元気を失い、仏壇に手を合わせることもなく帰っていきました。
一連の話を聞いていた涼子さんが「おばあちゃんらしくないよね、騙されてお金を盗られるなんて」と不思議そうに言いました。「頭のいい人だったけどな・・・でもそれが老化ってもんなんだろう」吉雄さんはそう言いましたが、涼子さんは腑に落ちない様子。「それに、最後までお世話したのに、静江おばちゃんに何もないのも納得できない」不満そうに言うひろみさん。私は「お義母さんがありがとうと言ってくれたことだけで十分よ」と言いました。
確かに、最後まで義母のお世話をした静江さんに何もないのは少し納得がいきませんが、大きく揉めることもなく遺産を相続できそうでよかったです。

※ストーリーは実話を元にしたフィクションです。
登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。
創作漫画としてお楽しみください。

原案:ママ広場編集部 脚本:船井 秋 編集:石野スズ
作画:ポジョ
在宅デザイナーの主婦です。息子と夫、そして猫と暮らしています。

最新のコメント
  • あめ より

    静江さんはおばあちゃんの隠し財産を受け取ることになってそう。

  • あこねこ より

    お仏壇になにかありそうな気がする・・・・!
    その他動産は義妹たちへ・・
    家屋は息子に・・
    他に不動産でも持っていたのか?

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