[4]家庭内カースト|結婚挨拶にエプロン持参しないのは非常識?いきなり手料理を催促され戸惑う嫁

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前回のお話

ゆかりさんが結婚の挨拶に訪れたともやさんの実家は、義祖父母と義父母が同居していました。結婚してから住む場所は実家の近くにと迫りながら徐々に同居の方向へ詰めてくる義祖父母に対して、何かと義祖父母に嫌味やキツイ言葉を浴びせられている義母だけは、義祖父母の顔色を見つつもともやさんとゆかりさんが実家から遠くに住むようにさりげなく義祖父母の圧を阻止するのでした。なんとなく居心地の悪いゆかりさんは、お手洗いに席を外しました。部屋に戻りかけると、自分たちの住む場所のことで、まだともやさんの家族が話しているのが聞こえました。義祖父母は同居を勧めない義母よしこさんに「戻ってこなかったらどうするつもりだ」と責めていました。「将来のことは考えているから」と、なんとか義祖父母を納得させようとしているよしこさんとともやさんの声が聞こえたゆかりさんは、ともやさんから聞いたことのなかった「将来の話」への不安と、よしこさんとともやさんの様子への違和感が否めませんでした。

1話目から読む

嫁に「我が家の味」を教えるフリをする義母

ともやの実家に結婚の挨拶に来ましたが、今日は挨拶だけですぐに帰るつもりでいた私たち。義祖父が「夕飯を食べて行きなさい」と誘ってくださいましたが、「いえ、ご迷惑になると思うので」と遠慮して断ろうとすると、「遠慮しなくていいから」と義祖母。嬉しいけれど、今日のところは・・・と帰ろうとすると、「せっかくだから、ゆかりさんの手料理でも頂こうかしら」と義祖母に言われて私は「え?」と言葉に詰まってしましました。「まさかエプロンを持ってきていないのかい?」と平然と言う義祖母の表情は冗談ではなさそうです。

「エプロン?」思わず聞き返してしまいました。ともやが「いやばあちゃん、今日はすぐ帰るつもりだったし・・・」とフォローしてくれましたが、義祖母はため息をつくと、義母を睨んで「よしこ、こういう事はしっかりとともやを通してでも指導しないと!」と文句を言い始めました。「孫嫁は常識が無いって言われて困るのはうちなんだよ?」って・・・え?結婚の挨拶にエプロンを持参しないのって非常識なの!?戸惑っていると、「はい、申し訳ありません」とすぐに義母が来て「ゆかりさん、台所へ行きましょう」と手招きするので動揺しながらもついて行くしかありませんでした。

台所で義母と2人きりなると、義母はため息交じりに「ごめんなさいね、おばあちゃんたち失礼なことを言って」と謝りました。慌てて「いえいえそんな、大丈夫です」と答える私に、「住む場所はできるだけ・・・できるだけウチから遠くで暮らしてね」と念を押すように義母は言いました。

そして私の耳元に近づくと「呼び出されてもすぐ駆けつけられない場所よ」と声をひそめて言ったのです。そのタイミングで義祖母が台所の方へ出てくるのが聞こえると、義母は「ゆかりさん、これエプロン。今日はこれを使ってね。今度来るときは持参してね。」とわざと大きな声で言いました。私に向かってではなく、義祖母に聞こえるように、廊下に向かって。

そして義母は急に「じゃ、我が家の味を教えるわね!しっかり覚えてね!」「まずはおじいちゃんが好きな物から伝えるわね。お祖父ちゃんは塩分控えめで野菜多めが基本なの。人参は小さく切ってね。」などと私に料理を教えているようなふりを始めました。「はい。」と返事をして義母に合わせながら、私はこんなにも細かく一人ずつの要望を聞いて夕飯を作っている義母に驚いていました。

結婚の挨拶にエプロンを持ってきていないことで怒られるとは夢にも思いませんよね。ともやさんにはもう少ししっかりとゆかりさんのフォローをしてほしいと思ってしまいます。

※ストーリーは実体験を元にフィクションを加えた創作漫画です。
登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。
創作漫画としてお楽しみください。

原案:ママ広場編集部 脚本:のきわだ 編集:石野スズ
作画:まりお
2児の母です。

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