[18]家庭内カースト|嫁が出て行きやしないかと息をひそめて様子を見守る義理の家族

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前回のお話

夫ともやさんの実家は義祖父母が君臨していて、義母への当たりが強く、まるでお手伝いさんのように扱っていました。そして義父はその様子にだんまりを決め込んでいる状態です。結婚の挨拶に行ったゆかりさんは、この家族はおかしいと感じ、義父と同じように母親を庇わず黙っていたともやさんを責めると、以前は母親を庇って祖父母とケンカになったこともありましたが、その後の嫁いびりが酷かったので、沈黙が母を守ると思うようになってしまっていたのでした。ある日義祖母を支えた拍子に足を怪我した義母が入院すると、代わりに家族の世話をするようにゆかりさんが呼ばれました。義母もともやさんも、ゆかりさんには迷惑をかけないと言っていましたが、ゆかりさんは作戦を思いついて義実家に行くと、お手伝いをしつつ「できないことはできない」と口ごたえをしたり、細かいルールがあった食事も全部無視してカレーライスを作ったりしては義祖母に怒られていました。そしてさりげなく近所の人たちに義祖父母の嫁いびりの噂を広めたことによって、文句も言わず良く働く義母を近所の人みんなが擁護して義祖父母の方がバツが悪くなってしまったのでした。

1話目から読む

息子夫婦に誘われても義理の両親を見捨てなかった義母

義母が退院すると、私は義母の不在中に義実家で過ごし、義父母の食事に関する細かい指定を全部無視してカレーライスを作ったり、近所の人たちに嫁いびりの噂が広まるようにしたりした挙句、義祖父母と義父にともやが「もう母さんを頼るな!」と捨て台詞をはいて出てきたことを伝えました。「まぁそうだったの。色々ありがとう」と驚きながらもお礼を言う義母。

義祖父母も義父も、以前と比べたら義母のことを気づかい自分のことは自分でするようになってきたとはいえ、義母が戻ったらまた同じことをするかもしれないと私は心配していました。「俺たちと一緒に暮らさない?」とともやも誘いましたが、義母は「ありがとうね、そんな風に言ってくれて。でも・・」義母は少し間をおいて言いました。

「今は良くても、一緒に暮らすと悪いこともどんどん見えてくるようになると思うの。私、ゆかりさんに嫌われたくないわ。」と義母は言いました。「そんな!私はお義母さんのこと嫌いになりません!」私はキッパリ言いましたが「ともやは本当にいい子と出会えたわね。」と義母はほほ笑むだけでした。

「あぁ見えて、お父さんも優しいのよ。でもそうね、おじいちゃんとおばあちゃんには、これからは少しずつ自分のことしてもらうから安心して。」ふふふと笑って私たちに話す義母は、気づかれないように息をひそめ聞き耳を立てて様子をうかがっている義祖父母と義父に気づきませんでした。

「なにかあったらすぐに連絡くださいね。」「すぐに迎えに行くから。」約束する私たちに「ありがとうね」と義母。私たちはお互いに両手をギュッと握り締めました。

お義母さんに一緒に暮らそうと誘う、ともやさんとゆかりさん。これまでさんざん嫁いびりにあってきた義母ですが、これまで通り義実家に残るようです。義父と結婚したときに、人には分からない覚悟のようなものがあったのかもしれませんね。3人で息をひそめて見守っている義祖父母と義父が少しだけ可愛く見えました。

※ストーリーは実体験を元にフィクションを加えた創作漫画です。
登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。
創作漫画としてお楽しみください。

原案:ママ広場編集部 脚本:のきわだ 編集:石野スズ
作画:まりお
2児の母です。

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