いちまさんはやっぱり見てる[9完]市松人形が笑った?

いちまさんに何か御礼がしたいと話すコウジさんにまた驚いた夫。御礼といってもいちまさんは人形です。

「いやいや、お気持ちだけで結構・・・」と言いかけた夫でしたが、ふと背後にいちまさんの気配を感じてゾクッとなり、「あ、そうですね!」と慌てて言い直しました。

夫は、いちまさんの好物とされている栗蒸し羊羹を提案しました。近所の和菓子屋さんに売っている栗蒸し羊羹。それは私が生まれる前から、おばあちゃんがいちまさんにお供えしており、園田家ではいちまさんの好物とされているものなのです。

「お菓子の指定もあるんですね」と笑いつつ、コウジさんは「分かりました!ぜひ伺います!!」と言って席を立ちました。

約束通り、コウジさんは家族全員で遊びに来てくれました。もうちろん、栗蒸し羊羹を持って。

いちまさんの顔を覗き込み、ユカが「ねぇいちまさん何か嬉しそうじゃない?」と言うと、「え~そうかぁ?」と半信半疑な様子のキラくん。

「ほら栗蒸し羊羹もらって嬉しそう!」ユカは嬉しそうです。「ホントかよ~」と言っていたキラくん。でも誰も見ていない時、いちまさんの口元がほんの少しだけ緩んだような、緩んでいないような。
信じるか信じないかは、あなた次第です。
※ストーリーは実体験を元にフィクションを加えた創作漫画です。
登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。
創作漫画としてお楽しみください。
原案:ママ広場編集部 脚本:船井 秋 編集:石野スズ
作画:左近寺しゅうり
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