子どもの歯ぎしり、実は心配しなくてもいいの?!それは何故??そんなお話をネクスト・デンタル ソレイユメインテナンスクリニック院長、櫻井善明先生にお伺いしました。
寝ている子どもが「ギリギリ」歯ぎしり!心配はしなくてもいい?
基本的には心配いりません。子どもの歯ぎしりは「特別なことではない」ですし、乳歯の場合は生え替わります。大人とは筋力も違いますので、顎関節などへの影響も小さいことから、それほど気にしなくてよいと思います。
また、あまりに意識させてしまい、ストレスになっては逆効果になりかねません。成長過程の一環だとご理解ください。
歯ぎしりの原因って?
子どもの歯ぎしりは「生えたての歯が気になる」「歯並びが整うまで違和感がある」「自然な顎の位置を決めようとしている」など、成長過程での準備だとされています。
歯ぎしりしだしたら、親はどうしたらいい?
基本的には気にしなくてよいと言いましたが、子どもの歯は大人の歯と違い、柔らかく、すり減りやすいので、歯の健康の観点からは定期的にかかりつけの歯科医に診てもらう事をお勧めします。
また、大人と同じで詰め物なども外れやすくなりますので、これもかかりつけ医にチェックしておいてもらうのが安心だと思います。
受診のタイミングとしては、乳幼児期の歯ぎしりは心配になるのも分かりますが、成長過程なので見守ってあげてください。
学童期(3歳から12歳くらいまで)では、生え替わりにより歯ぎしりが起こる時期となります。このあたりから歯ぎしりの影響が表れ始めるので、咬み合わせの度合いを診てもらいながら、かかりつけ医を探されるのがよろしいかと思います。
思春期になってくると、顎の成長はひと段落してきます。逆に、学校での心配事や受験などのストレス、つまりメンタル面で歯ぎしりをしてしまう事があります。なので、歯科だけではなく、心のケアにも気を配ってあげることが必要です。ストレスから解放されると歯ぎしりも自然と減ってくるでしょう。
その他、近年、歯ぎしり以上に「歯の接触」が問題となってきています。通常、人間はリラックスした時、歯と歯は触れておらず、離れているのが普通です。
しかし、スマートフォンやタブレットを見ている時や、パソコン作業に集中している時などに「意識できない程度の弱い力で持続的に歯を接触させている」事があります。これをTCH(Tooth Contacting Habit:歯列接触癖)と呼びます。
TCHは「万病のもと」と呼ばれ、お口の問題として「知覚過敏」「虫歯ではないのに歯が痛くなる」「顎が痛くなる」などから始まり、「肩こり」や「緊張性頭痛」など、歯以外にも影響が出てきます。そして、TCHは幼少期に親から「口を閉じなさい」としつけられたことが影響するといわれています。もし、しつけとしてお子さんに伝える時には「歯を離してリラックスしながら、お口を閉じる」ことを伝えてあげてください。
[執筆者]
櫻井 善明先生
ネクスト・デンタル ソレイユメインテナンスクリニック院長
[経歴]
東京歯科大学卒業
顕微鏡歯科ネットワークジャパンメンバー
日本顕微鏡歯科学会認定指導医
顕微鏡歯科治療に邁進する v-Super Dentist
顕微鏡歯科ネットワークジャパン(MDNJ)- 櫻井 善明
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