母親になってから、子どもが亡くなるニュースに、すごく敏感になりました。
事故・病気・事件……いろいろなニュースが毎日のように流れてきますが、中でも一番つらいのが「虐待」関連のもの。
全身全霊で母親への愛情を示す時期、子どもにとって、母親が彼らの世界の大半を占める時期に、そこから拒絶された子のことを考えると、もう辛すぎて。
朝からニュース番組見て、子どもがびっくりするぐらい泣けてきます。
そうすると、次に考えるのが、
「こうなる前に子どもを救う手段はなかったのかな」
ということ。
そこで、海外の児童保護について調べてみました。
まず、よく日本との比較に出ることが多く、虐待先進国(嫌な表現ですが)といわれるアメリカ。
アメリカは連邦制を採用しているので、州ごとに違いはあるのですが、親を虐待で逮捕しても、刑務所には虐待更生プログラムがなく、出所するとまた虐待をする恐れがあるとのことで、裁判所と児童保護機関が中心となって対策をおこなっているとのこと。
加害者側(親など)と被害者側(子ども)双方に弁護士がつき、証拠に基づいて審理を行い、親元へ戻すのか、親権を剥奪して養子縁組などをさせるかといった判断をするそう。
日本では、親権剥奪ってめったに聞かない気がします。
また、『通告法』といわれる虐待の通告に対する義務があり、医師やカウンセラーなど職務上で知る場合がある専門家はもちろん、州によっては一般人にも義務を課し、怠った場合には罰金などの罰則も定められています。
何と、医師や看護師など専門家が通告を怠ると、免許剥奪といった罰則もあるそうです。
日本では、「間違いかもしれない」「関わりたくない」みたいに思って通告をためらう人が多いと思うので、義務化するのはいいかな、と思いました。
アメリカでは12歳以下の子供を放置(子供だけでの留守番・一人で学校へ行かせるなども)が虐待にあたるとのこと。
日本とは治安がそもそも異なるといった点はあると思いますし、このような法律を作らなければならないほど、虐待の件数が多かったのだろうと思うと……法律ができるまでどれぐらいの子どもが犠牲になってしまったのか、推して量るべしですね。
続いて、カナダ。
カナダにも通告の義務があり、対象は「児童虐待の疑いを察知した人」と、とても対象が広く、怠った場合には1000ドルの罰金(9万円ぐらい)が定められています。
そして、通告者は公的機関から守られることが記されていました。
やはり、逆恨みへの恐怖というのは、通告をためらわせると思うので、公的機関から保護されるというのは心強く、通告の後押しにつながりますよね。
そして、フランスでも通報が義務付けられていました。
「まだ回避することが可能である、若しくはその効果を限定することが可能である犯罪を知りながら、又はその犯人が更に新しい犯罪を行う可能性があり、かつ、それを回避できることを知りながら、司法機関又は行政機関へ通報しない者は、3 年以下の禁錮及び45,000 ユーロ(なんと約58万円!)以下の罰金に処する」
児童虐待に関わらず、犯罪全般に対するものですが、高い罰金だけでなく、禁固の可能性があるというのがビックリ。
諸外国では「見て見ぬふり」はかなり重く受け止められているようです。
スウェーデンの取り組みは、防止に長けている感じでした。
妊娠中から専門家が母親の相談に乗るなどして、母親が孤立しないように気を配っているそうです。
母親が育児に対するプレッシャーから逃れられることも重要なポイントかもしれませんね。
あとは、児童相談所に与えられる行政権限を考える必要があると思います。
アメリカでは、「虐待の疑いあり」との判断で、すぐ子どもと親が離され調査が入ります。
日本の現状では、なかなかできないですよね。
何となくですが、日本は子どもを「親(特に母親)のもの」と捉えている感じで、欧米では「国や社会のもの」もしくは「子どもの自身のもの」のような捉え方をしているように感じました。
加害者側の罪が軽くなりがちなのもそのせいかなと。
個人的には、虐待関係はハムラビ法典を復活させてもいいのではないかと思うぐらいです!!
日本の児童相談所については、さかたのり子・穂実あゆこ作の『児童福祉司 一貫田逸子』を読んだのですが、とても分かりやすく、読んでいて重いマンガでした。
www.asahi.com
必死に覚えたひらがなで、どうしてあんなつらいことを書くことになってしまったのかな。
さかさまでも、鏡文字でも、「ままだいすき」って書いてくれるだけで、親の一生の宝物になる時期なはずなのに。
今は、痛みも飢えも辛さもない、あたたかい場所にいると信じたい。
『子どもの生命』を一番に考えて動ける社会になることを切に願います。