各メーカーからさまざまなエナジードリンクが販売され、流行しています。
基本的には、成人男性をターゲットにしているものが多いと思いますが、子供にも飲みやすいフレーバーのものが多く、塾に通っている子どもやスポーツをしている子どもにも人気があると聞きました。
ほとんどのエナジードリンクには、カフェインが含まれています。
カフェインの覚醒作用によって、眠気を失くしたり、集中力を高めたりしているのです。
こう書くと「カフェインを摂った方がいいのでは?」と思われるかもしれません。
でも、過剰なカフェイン摂取による健康被害が、国内外でも多数報告されているって知っていますか?
エナジードリンクには死亡例もある!
2019年にアメリカの心臓学会:American Heart Associationに、エナジードリンクには心機能異常や血圧変化のリスクを高める可能性があるとの記事が掲載されました。
エナジードリンクを摂取することで、不整脈を起こす危険性があり、場合によっては生命を脅かす可能性もあるとのこと。
この結果を受け、パシフィック大学の薬学実務教授であるSachin A. Shah医師は「エナジードリンクの摂取とQT間隔と血圧の変化の関連を発見した。さまざまなエナジードリンク中の成分またはその組み合わせの調査が必要である」と、述べています。
薬学部教授であるKate O’Dell博士も「エナジードリンクは大学生を始めとする若者のうち30%が定期的に引用しているとのデータがあり、これは緊急治療室へ運ばれる若者の死亡数の増加につながっている。特に心臓等に疾患がある人にとっては『リスクがあることと自分で制限する必要があること』を知らせるべきである」と述べています。
実際に、2012年には710mlのエナジードリンクを2本(カフェイン量は約480mg)飲んだ14歳の少女が、カフェインの過剰摂取が原因の心臓の不整脈により亡くなるという事故も起きています。
子どもは大人よりカフェインの感受性が高いため、大人と同じ量のカフェインを摂るのは危険。
苦味の強いコーヒーを飲むことはできなくても、ジュース感覚で飲めてしまうエナジードリンクには要注意です。
子どもはどのくらいカフェインを摂っても飲んでも平気?
2010年にカナダの保健省が、子供や妊婦、授乳中の方に向けたカフェイン摂取について注意喚起をおこなっています。(https://www.healthycanadians.gc.ca/recall-alert-rappel-avis/hc-sc/2010/13484a-eng.php)
これによると、
●妊娠中・授乳中の女性→300mg/1日以下
※コーヒーではカップ2杯分に相当
●4~6歳の子ども→45mg/1日以下
●7~9歳の子ども→62.5mg/1日以下
●10~12歳の子ども→85mg/1日以下
●13歳以上の子ども→体重1kgあたり2.5mg/1日以下
※40キロの子どもの場合、100mg/1日以下
となります。
一般的なエナジードリンクに含まれるカフェイン量は1缶(350ml)当たり100~150mg前後となっており、子どもが飲むには適切ではないことがわかります。
最近はスポーツクラブや塾通いで大変な子も多いと思いますが、子供を応援するためにはエナジードリンクを飲ませるのではなく、3度の食事と十分な睡眠で体調を管理してあげるのがベストです。
実は、エナジードリンク摂取による死亡例は国内でも起こっており、2015年に20代の男性が亡くなっています。
日本では「清涼飲料水」に該当し、特に規制などもないエナジードリンク。
子どもにとっては、パッケージも大人向けでカッコよく見え、甘くておいしいとなれば飲みたくなってしまうもの。
大人の方でしっかり気を付けてあげましょう。