前回の話
実家を出て家族との連絡を絶っていたものの、姉サナさんの長女ユメちゃんからの電話で数年ぶりに帰省したユイナさん、自慢ばかりするユメちゃんの弟ソウマくんをベタ褒めするお母さんと、何を言われても黙っているユメちゃんを見て、ユメちゃんに呼ばれた理由を理解したユイナさんはユメちゃんがかわいそうと言いました。その言葉を理解できないサナさんを責めつつ、「私みたいになったらどうするの?」と問い詰めると、「・・もうなってるよ。ユメはパパとママのほんとの子どもじゃないんじゃないかって」と大粒の涙をぽろぽろこぼしながらユメちゃんが言いました。
姉と比べられて育った私[10-1]私が姪の味方になる
「ユメはパパとママのほんとの子どもじゃないんじゃないかって・・」泣きながらそう言うユメに、「誰に!?そんなこと誰に言われたの?」慌てたお姉ちゃんがたずねると、「パパの・・ばぁば」とユメは言った。お母さん、私に言ってたようなこと、ユメにまで言ってたんだ。「・・!そんな・・いつ・・、この間遊びに行ったとき・・?」お姉ちゃんの質問にユメは静かに頷いた。
「ねえ、このままだとユメちゃんダメになっちゃうよ。ソウマも人の気持ちを顧みないクソガキになってるし」「・・・」無言になったお姉ちゃんに、「いいの?お姉ちゃん」ダメ押しするように言った。
「・・いつも、ママばぁばからユイナさんの話・・聞いてたの。私と同じだって思って・・だから今日、ここにいてほしかったの」ようやくユメが私に電話した理由を話した。
そして、「会ったこともない私に助けを求めるくらい、ユメちゃんが限界なのはお母さんも原因だと思うけどね」そうお母さんに言うと、「なっ!!なんですって・・!」と驚いてムキになってきた。「いい歳してさ、さすがにもうみっともないよ。そのお姉ちゃん自慢」もう言葉が止まらなかった。
「まあ・・私のことけなし続けてくれたおかげで、こうしてユメちゃんに繋がることが出来たんだけどね」私はユメの手をしっかりと握った。
そして、「ユメちゃん、なにかあったらここに連絡しな。いつでもうちに来ていいから」スマホの番号を渡した。「私ならユメちゃんの味方になってあげられる」私はそう確信していた。
最終話
—————-
※ストーリーは実体験を元にフィクションを加えた創作漫画です。
登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。
創作漫画としてお楽しみください。
原案:ママ広場編集部 脚本:のきわだ 編集:石野スズ
作画:コハダさんさん
LGBTQ当事者、1児の母。
里帰り育児漫画やLGBTQを絡めた創作漫画を描いてます。