私には大好きな海外ドラマがありまして、シーズン9まである長~いドラマにもかかわらず、シーズン1から9まで、もう何周も観ています。
ざっくりですがストーリーは、心優しく記憶の天才なのに、子どもの頃からの悪友といつまでも関わっているせいで残念な生活を送っていた主人公が、あるきっかけで仕事も生活環境も人間関係もガラリと変わり、そのおかげで元々の能力を良い方へ活かせたり自分が望む道を見出し自らの選択で進んで行けるようになる。
その一方で、もうひとりの主人公はハンサムで仕事もできて、誰もが羨むスーパースター。けれど、本当は孤独で心の豊かさや愛が足りていない。そんな二人が出会って仕事でもプライベートでもお互いに成長し、友情が生まれ・・・
あぁ。語りだすとまた今夜シーズン1から観たくなっちゃう(笑)
このドラマを観ていると、人生において友達(付き合う人)って本当に大切なのだとあらためて感じます。どんな人たちと付き合うかによって、人生はずいぶん変わる。そう思うと、やはり気になるのは息子のお友だちとの関わり方です。
小学校入学を前に、息子のお友だちとの関わりが気になってきました
年長(5歳~6歳)になると、それまで「今日あの子がこう言った」「今日あの子にイジワルされた」など、人に対してよりも自分がされたこと、見たことそのものに対して感じていたのが、「あの子はすぐイジワルしてくるよ」「あの子は助けてくれるから仲間だよ」「あの子は年少さんのときワルかったんだけど、年長さんになったら優しいんだよ」など、関わる子ひとりひとりに対して「こういう子」というイメージが出来上がってくるようです。
息子がよく「叩かれた」と言っている子や、涙ぐんで「遊ぼって言ってもダメって言ってくる」子の話を聞くと、つい「なんだと!?可愛いうちの子を!」と、親バカ&過保護の気持ちがムクムクと湧いてきますが、ぐっとこらえて平静を装い、「トラがやりたいことを、同じ時にお友だちもやりたいとは限らないんだよ」「叩く子にはちゃんとやめて!とハッキリ言うんだよ」と諭してみたり、何度言っても聞かず、先生に言ってもまだ叩く子には1発だけやり返せ!とも言ってはいますが、基本的にはみんなと仲良く関われるように見守っていました。
...今までは。
今はまだ保育園での出来事を素直に話してくれますし、送り迎えで見る様子、先生やママ友さんたちからの情報もあります。それに公園にもまだ夫や私と一緒に行っているので、なんとなく息子がお友だちとどう関わっているのかが見えます。
けれど、小学生になりこれからどんどん息子の1日の中に、私たち親には見えない時間が増えてきて、『ギャングエイジ』という、仲間を意識する年齢になっていく過程で、できることならばお互いに成長しあえる良い仲間と一緒にいて欲しいと願わずにはいられません。
そして、だんだん息子が関わっている子たちを見る自分の目が変わってきていることに気付きました。
私が過保護で心が狭いのかな。息子と関わってほしくない子がいます。
正直、息子と関わってほしくない子とは
どうして?「痛い、やめて」といっても笑っている子。
息子と公園へ行ったら何人か知っている子がいたので一緒に遊び始めた時のことです。
鬼ごっこや遊具で遊びはじめたので少し離れたところで見ていると、ひとりの子が後ろから息子の首に腕をまわし、グッと締めたのです。「やめて!」と繰り返す息子の声に耳をかさずに腕を離してくれないその子は私の知っている子で、息子と仲が良いお友だちと思っていたのでビックリしましたが、子ども同士のトラブル時、すぐには子どもたちの中に割って入らない私。でも何度目かの息子の「やめて!」を聞き、私が「やめなさい!苦しいし、危ないよ。」と言って近づくのと、息子が泣き出すのと、「コラ!やめなさい!トラくんに謝りなさい!」とその子のお母さんが走ってくるのがほぼ同時でした。腕は、周りにいたお友だちが引き離してくれました。
ここまでならまぁ男の子だし、そんなこともあるでしょう。息子には防御方法を教えて鍛えようと思うくらいで終わりますが、問題はその後。
その子はゲホゲホとむせて泣いている息子を横目に笑って「やーだね!」「あっかんベー!」とおどけたのです。
その子のお母さんが厳しく怒っていたので私はそれ以上何も言わず、ちょうど辺りが暗くなってきたのもあってなんとなく解散になりました。息子はすぐに泣き止みケロっとして「また遊ぼうねぇ!」と手を振っていましたが私は正直引いていました。
別の日。保育園へ迎えに行くと、息子が帰りの準備をしている間に同じクラスのMくんたち3人が、手作り鉄砲をもって「ボクたち警察だぞー!」と言って私を撃つマネをしてきたので、「うぅっ、やられた!」「バンバン!」と一緒に遊んでいると、息子が準備を終えて出てきました。私たちの警察ごっこをニコニコ見ながら靴をはいていると、突然、Mくんが息子にパンチ、キックをし始めました。息子はお腹を守るように背を向けてよけていましたがMくんはやめません。やり返しもせずよけながら無視を決め込む息子に、アクションヒーローさながらのポーズで息子の背中をまたパンチ。
なんだこいつ。
正直そう思いました。戦いごっこにしても、そろそろやめていいんじゃない?
「ねぇ、それはちょっと痛いんじゃない?もうおしまい。」と言うと、Mくんは笑って「だってボク、空手習ってるんだもん。」と。はぁ?大人げないかもしれませんが、イラっとしました。空手のカッコいい姿を私に見せたってこと?
「トラは空手習ってないし、何もしてないのに叩いてくるなんてなんにもカッコよくないからね!」厳しめの口調で、怖い顔を作って言うと、ドアの陰に隠れてこちらの様子をうかがってます。「ダメだからね!何もしていない子を叩くのは!」まだニヤニヤしているMくんに言い捨てて帰りました。息子は「あんなの全然痛くなかったんだよ。」「やり返したらMくんが痛いかなぁと思って、何もしなかったの。」なんて言っていましたが、私はザワザワする心を落ち着かせるのに精一杯でした。なぜなら思い出したのです。Mくんは年中クラスのときに目撃した、息子をいきなり突き飛ばして泣かせた子だ!まだこんなことする子なんだ・・・
過保護すぎ?こんなことくらいでいちいち心配し過ぎ?
戦いごっこがヒートアップすることだってあることや、怒った時に少しくらい手が出る子がいることなど理解はしているつもりですが、私が気になって息子とあまり関わってほしくないと思うポイントは、相手がやめてとハッキリ言っても、叱られても、笑っていることです。そう思うのと、まだ6歳の子に対して決めつけるのはよくない、なにむきになっているんだ私は・・・という気持ちもあり、複雑な心境です。
関わってほしくない子のことを、親は口出ししていい?
就学前の今はまだ、友達との関わり方がほとんど見えているので、危険のない範囲で親が見守っていればよいと思っています。けれど、これから成長していく過程で、関わってほしくない子の存在を知った時に「あの子とは遊んではダメ。」と親が禁止しても、おそらく思い通りにはいかないでしょう。
私は、自分自身が小学生~中学生の時に感じていた母への反発心のことを思い出しました。
ちょうど多感な時期。自分の友達の話をしたときの母のちょっとした表情や発言で、すぐに「あの子のことは気に入らないんだな」「あの子と遊んだ話は笑顔で聞いてくれるな」と、子どもは敏感に感じ取るものです。
そして、あからさまに嫌な顔をされると悲しいような腹立たしいような気持になり、友達のことをよく知りもしないくせに、勝手に好き嫌いの感情を出さないでよね!好きで私が遊んでいる、私の友達なんだから!と思っていました。
でも・・・結局のところ、私は母があまりいい顔をしなかった友達とかけがえのない親友になることはありませんでした。それは母の顔色を見て私がその子たちと遊ぶのをやめたのではなく、遊んでいるうちに自分で「違う」と思ったからです。
どうしてだろう。
記憶をたどるうちに、息子に何ができるかぼんやりしていたことがほんの少しだけわかった気がしました。
【後編】へ続きます。
トラのママ
大相撲大好き年長さん息子の子育て真っ最中ワーママ
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