先日話題になっていた記事について
【「小1問題」5歳児の教育計画へ】https://t.co/8pWH7P81RZ
文科省は、小学校入学時の学習態度や学力の差をなくそうと、5歳児向けの共通教育プログラムを作る方針。幼稚園や保育園、認定こども園で生活や学習の基盤となる力を養い、小学校入学後につなげる。近く中央教育審議会で検討を始める。
— Yahoo!ニュース (@YahooNewsTopics) July 6, 2021
色々な意見が飛び交っていました。実際に小1プロブレムを見た経験から話すと、私は子どもたちのためにそういった準備はしたほうがよいと思っています。
小1問題・小1プロブレムとは
小学校第1学年の児童が学校生活に適応できないために起こす問題行動。また、こうした不適応状態が継続し、クラス全体の授業が成立しない状況に陥っていることをさす場合もある。小学校入学直後、遊びから学びに生活の中心が変わり、幼児教育から小学校教育へ指導が一変する段差を乗り越えられないために起こる問題とされる。
つまり、まとまっていたクラスが崩れていく学級崩壊ではなく、最初からクラス全体が成り立っていない状態ということです。
私の娘が1年生の時に、実際に起こっていたことでした。小学校に入学して初めての授業参観は、私の想像とは違っていたものでした。
⇒1年生で学級崩壊!? 授業参観で愕然した小1プロブレムの教室で我が子はどうなる?新1年生になるまでに家でしておきたいこと。
なぜ起きる?原因は??
1:幼稚園・保育園からの環境の変化に対応できない
遊び主体の生活リズムから時間が決められ学習スタイルに変更になることへの戸惑い。遊びたい!という気持ちを抑え机に座り勉強をしなければいけない環境についていけない状態が続いてしまう。
2:主体性が求められる環境
先生からの声掛けが急に少なくなります。自分で考えて自分で行動する。気持ちの切り替えなどに戸惑いを感じる子がいる状態になります。
3:集団行動になじめない
決まった時間にみんなで行動をすることが幼稚園や保育園とことなり多くなることによる戸惑い
これらの戸惑いが子どもたちが小学校生活になじめない要因となっています。
そして、以前は『親のしつけ』の問題と言われていましたが、最近はそれだけではないと言われています。
小学校と幼保とのギャップ・家庭環境(生活リズムや家庭方針)・子ども自身の成長・社会環境様々な問題が積み重なっていると言われています。
現在の取り組み
2010年ごろから幼小連携を図るプログラムも導入され、小学生になった途端、授業開始!ではなく、学校探検・ロッカーの使い方・下駄箱の使い方・高学年との交流・校長先生に質問!など学校生活に慣れるための工夫が、学校ごとで行われています。
幼稚園や保育園でも小学校に向けての準備として決まった席に座っていることや、読み書きや計算などに一定時間集中させる練習をしているところもあります。
この連携により、子どもたちの戸惑いや環境の変化に対する不安を和らげ、スムーズに小学校生活が送れるような取り組みが送られています。
幼稚園や保育園から子どもの情報が学校へ提出される『保育所児童保育要録』(幼稚園幼児指導要録や認定こども園こども要録)があったとしても、どんなクラスになるのかは蓋を開けてみないとわからないのが現状ではないでしょうか。
そのため小学校によっては入学してから1か月ほどが『仮クラス』。正式クラスが5月。という学校もありますよね。
今回の施策については園ごとの取り組みの差を埋めていくことで子どもたちの心の不安を少しでも解消することが目的としてあるのかなと思いました。
私の願いは平等ではなく、公平に学校生活が送れるような施策を取って欲しい
小1プロブレムを解決するためには色々な問題が山積みのようにあると思います。
先生方の仕事量の見直しと統一感
まず先生方の仕事量の多さ。残業ありきの勤務体制。先生方の責務の重さからの解放がまず必要なのではないでしょうか。
これは私の完全なる理想論ですが、チームとしてクラス運営。そして学年で統一した体制づくりをして欲しいと思います。
クラスによって宿題の量が異なる、進め方が違う、採点の厳しさなど、先生によって違いがでてきています。
ある程度幅を持たせることもよいと思いますが、学年で統一感を出す施策で保護者側からの不安が低くなると思います。
子どもたちへの対応
小1プロブレムが起こっている教室や何か問題が起きている教室で、忘れてはいけないのは『待っている』子どもたちです。
先生が1人の子どもの対応している時、他の子どもたちは静かに待っているのです。途切れ途切れになる授業。集中が途切れてしまう状態にもかかわらずその光景を見て待つ。何もせずに待つ。
これが今の現状です。これは、1人の先生がクラス対応をするため、それしかできない状態なのです。
他の子の様子をみて、自分はそうしないようにの勉強になる・・と言われる方もいますが、毎時間毎時間同じ光景が1年間続くことが勉強になるとは思えません。
何のために学校に行っているのか・・学校が楽しくない・・そう思う子もでてきます。
特性のある子どもたちへ合理的配慮を行う事も義務付けられていますが、先生が1人で対応はできるとは思えません。
それは先生の能力の問題でもなく、そういった環境が整えられていないことに原因があると思います。
小1プロブレムだけの問題ではないのですが、学習面では『できる子』と『できない子』が置いて行かれる状態になっていて『中間層』を育てるような仕組みになっています。
先取り教育も含め家庭学習をしっかりやってきている児童は、手を挙げてもあてられません。そして子供は、手を挙げる意欲を失い。授業自体がつまらなくなってしまいます。
反面、授業についていけなくなった子たちは、どこかのタイミングで躓き、そのまま授業が進められていくなかで追いつけなくなっています。
その差は3年生から徐々に開き4年生で子ども自身が自覚をして5年生では完全に『差』がでてくるのです。
私は到達度別で分けて授業が行われてもよいのではないかと思っています。
到達度別の勉強は、できない子に劣等感を与える形になるのではないかという意見もあると思いますが、わからないままにしておくよりも、わからない⇒わかった!にする喜びを感じさせる方が大切だと考えています。
もちろん、こういった取り組みを行っている先生や学校もありますが、まだまだ少ない印象があります。
先生方1人の負担を減らすことがなにより大切でチームでクラス運営を行うことで解消する面もでてくるのではないかと思います。
私の理想はひとクラス3人体制です。先生の中には特性を持った方もいらっしゃいますし、クラス運営が苦手な方もいる。そういった意味合いでもチーム体制になってほしい。と願います。
学校の体制
学校は神聖な場所。のイメージがあり、問題を外に出すことがないように思います。問題があるのは、児童ばかりではありません。先生側に問題があることも往々にしてあります。
保護者に対して真摯に向き合ってくれる先生とそうではない先生がいることも事実。その場合の学校の体制についてもっとオープンにしていくことが大切だと思います。
幼保小の連携がより強くなることで入学時にある程度の体制を整えることができるようになればと思います。
保護者としてできること
いろいろなご家庭が集まるところが公立。この時点で『差』がありますよね。家庭方針の差もありますし、収入面の差。子どもの特性や個性。
その中でできることは、子どもと向き合う事。先生を信頼すること。が大切だと思います。
先生の言動がおかしいと思えばそれは学校に話す必要があります。客観的な目を持って、話すこと。
そして家庭でできることは家庭でやる。
子どもを守りたい気持ちが強くなる場合でも何が子どもに1番大切なのかを考えること。1番の味方であるからこそ冷静に受け止め、問題があった時は対応しなければいけません。
子どもの生活面なのか、学習面なのか、色々な面で『見守る』ことが大切で1つ1つの事例に対して『対応』することが大切だと考えます。
勿論これは理想論です。
制度の問題もあるでしょう。先生同士の相性・生徒の相性・保護者との相性色々な問題もあるでしょう。ご家庭の事情によりできないこともあると思います。
それでも、子どもたちの未来を考えて、連携をとり行動を起こし、議論してよい方向に向かう努力をしなければならないと感じています。
エイターママ
小5の娘を持つワーママ。元塾講師。