[10完]姉と比べられて育った私|つらい経験もムダじゃなかった。比べられた過去があったから姪の拠り所になれた

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前回のお話

非の打ち所がない姉サナさんを持つユイナさんは、幼い頃から姉と比べられる日々に苦しんでいました。最初は追いつこうと必死に努力したものの、圧倒的な差を突き付けられ、追いかけるのをやめてしまいます。サナさんはその後、県内トップ高校から超難関大学と華々しい道を進みますが、ユイナさんは高校卒業後は進学せず、フリーターをしながら彼と同棲を始めるという正反対の道を選びました。決して立派とは言えないものの、彼氏と同棲しながら幸せいっぱいの生活を送るユイナさんでしたが、ある日彼氏の浮気が発覚。ユイナさんは通帳を手にその場から走り去り、1人で生きていこうと引っ越しを決意。それから10年の月日が経ったある日、サナさんの娘ユメちゃんから電話がかかってきます。電話の内容は「日曜日におばあちゃんの家に来てほしい」というもの。放っておくこともできず渋々実家に帰ったユイナさんが見たのは、かつての自分のように、常に弟と比べられるユメちゃんの姿でした。ユイナさんは、ユメちゃんが自分のように壊れてしまう前に、母親であるサナさんの前で、ユメちゃんの本音を引き出しました。

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この子を助けられるのは私しかいない

かつての私と同じように、弟と比べられ続け、辛い思いを抱えていたユメちゃん。拳を強く握り締めると、「この間、パパとママのほんとの子どもじゃないんじゃないかって言われた」そう言って涙を流しました。

「誰に!?そんなこと誰に言われたの?」必死な表情で問い詰められたユメちゃんは、小さな声で「パパの・・・ばぁば」と答えました。「そんな・・・まさかこないだ遊びに行ったとき?」姉が震える声でそうたずねると、ユメちゃんは黙ってこくりとうなずきました。

ユメちゃんが義母からそんな言葉を浴びせられていたと知り、姉はショックのあまりその場に立ち尽くしていました。私はそんな姉に「ねぇ、このままだとユメちゃんダメになっちゃうよ?ソウマも人の気持ちを顧みないクソガキになってるし・・・いいの?お姉ちゃん」と問いかけます。

するとユメちゃんが、静かに口を開きました。「いつも、ママばぁばからユイナさんの話を聞いてたの、私と同じだって思って・・・だから今日、ここにいてほしかったの」私はその言葉を聞いて深くため息をつき、母を鋭い目つきでにらみます。

「会ったこともない私に助けを求めるくらいユメちゃんが限界なのは、お母さんも原因だと思うけどね・・・いい年してさ、さすがにもうみっともないよ、そのお姉ちゃん自慢」私にそう言われると、母は顔を真っ赤にして「なっ、なんですって!?」と声を荒げました。

私はぽろぽろと涙を流すユメちゃんの手をそっと握ると「まぁ、私のこと貶し続けてくれたおかげで、こうしてユメちゃんに繋がることができたんだけどね」と優しく声をかけました。

「ユメちゃん、なにかあったらここに連絡しな、いつでもうちに来ていいから・・・私ならユメちゃんの味方になってあげられる」そう声をかけると、私はそっと自分の連絡先をユメちゃんに手渡します。ユメちゃんは少し驚いたように私を見上げましたが、すぐに小さくうなずました。

「1人でもう悩まなくていいからね」そう声をかけると、ユメちゃんは目にためていた涙をぽろりとこぼしました。そして私に抱きつくと、わんわんと声をあげながら泣きじゃくりました。

あの日以来、ユメちゃん・・・いや、ユメは私の家にちょくちょく遊びに来るようになりました。絵を描くことは今でも大好きでよく描いているようですし、学校や塾の勉強も頑張っているみたいです。後日、姉からはこんなメールが届きました。『ユメが辛そうなのを見ていたけど気持ちを理解してあげられてなかった、夫や義母からユメのことで責められて焦っていた・・・ユメの逃げ場を作ってくれてありがとう』ソウマとの比較が完全になくなるまでにはまだ時間がかかりそうですが、私とつながったことで、ユメがこれ以上つらい思いをせずに済んで本当に良かったです。

比べられてばかりで、自分の存在を認めてもらえず辛かったあの頃。でも、その経験があったからこそ、かわいい姪の心の拠り所になれたのだとしたら・・・私のつらい過去も、少しは意味のあるものだったのかもしれません。ひとつだけ願いが叶うのなら、あの頃の私に「今の自分は幸せだよ」と言って抱きしめてあげたいな。

ユイナさんとつながったことで、ユメちゃんは心が壊れる前に、逃げ場を見つけることができました。兄弟姉妹で比べられることはよくありますが、血がつながっていても、それぞれ違う人間です。得意なことも苦手なことも違うのが当然です。だからこそ、できないことを責めるのではなく、できることを見つけて少しずつ伸ばしてあげること。見捨てず、寄り添う心こそが、本当に大切なのかもしれませんね。

※ストーリーは実体験を元にフィクションを加えた創作漫画です。
登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。
創作漫画としてお楽しみください。

原案:ママ広場編集部 脚本:のきわだ 編集:石野スズ
作画:コハダさんさん

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