夫との未来はもう描けない


私たちが離婚の話しをしていると、スーパー佐伯に行っていたリマと義父が帰って来ました。私が義実家に来ていると知った美沙ちゃんも同じタイミングでやってきたのですが、私の涙に気づき驚いていました。
廊下には、さっき私が落として割ってしまったコップがそのままの状態。異様な状況を察した美沙ちゃんは「一体なにが・・。と、とりあえず・・うちに行こう」と泣いている私に声をかけてくれました。正志は無言でそそくさと部屋の奥へ行ってしまい、義母も立ち尽くしていました。

私が「あっ、コップ・・」と言って片付けようとすると、義母が「大丈夫よ。私が片付けておくから・・」と優しく言ってくれたので、義母の好意に甘えることにしました。

「ママ・・どうかしたの?」とリマが心配そうに聞いてきましたが、私はこの状況をどう説明すればよいのかわからず何も言えませんでした。美沙ちゃんが「リマちゃんも一緒に来て」と言ってくれ、リマも一緒に行くことになりました。

美沙ちゃんは経営しているスーパー佐伯に私たちを連れて行ってくれました。リマが「ママー、ゲームコーナーで待ってていい?」と言うので、リマをゲームコーナーで遊ばせ、美沙ちゃんと私はスーパーの事務室へ。

美沙ちゃんが仕事中の裕二さんも呼んで来てくれました。私は二人に、正志から離婚しようと言われたこと、聡子さんと再婚して総一郎さんと一緒に多田家を支えていくと正志が言っていたことを話しました。美沙ちゃんも裕二さんも「え、正志そんなこと言ったの?マジで・・」と驚いていました。私だってまだ信じられないのですから、2人が驚くのも当然です。

私を心配した美沙ちゃんが「そう・・。正志君ちにはとても置いておけないから、ひとまず2人を家まで送るよ」と言ってくれ、申し訳ないと思いつつも義実家へ戻る気にはなれず、自宅まで送ってもらうことにしました。

車に乗ってしばらくすると、リマはスースーと寝息をたてて眠ってしまいました。「美沙ちゃん、仕事忙しいのにごめんね。本当にありがと・・」とお礼を言うと、「いいのいいの!たまにはいなくなった方が裕二も私のありがたみがわかるだろうし」と笑いながら美沙ちゃんが言うので、思わず私も笑ってしまいました。私に気を遣わせないようにわざと明るくしてくれる美沙ちゃんの気遣いが嬉しかったです。

「私、全然知らなかった。多田家ってなに?地主ってそんなにすごいの?」私は正志や義母には聞けなかったことを聞いてみました。「そうだね・・。この辺りは多少はあるかな。『地主さんに感謝しろ』的なことを昔から言われてたから・・。全然ピンとこない話だよね」美沙ちゃんは私の気持ちに寄り添いつつも、地元で多田家がいかに特別な存在なのかを話してくれました。

「ただ・・聡子はそういうところ子どものころからずっと嫌がってたんだけど・・」と、聡子さん本人は多田家というだけで特別扱いされることをよく思っていなかったとも話してくれました。「・・でも、今回のことでわかった。正志と暮らす未来は私も描けない」私は、同窓会以降の正志のこれまでの態度や、多田家や聡子さんを何よりも優先する正志とはもうやっていけないと感じていました。正志が私との離婚を選んだように、私も正志とこのまま一緒にいたいという気持ちはもうありませんでした。美沙ちゃんは、そんな私の想いを複雑そうな顔で静かに聞いていました。
美沙さんは正志さんと聡子さんを昔から知っていて、理恵さんとも仲良し。自分の親しい人たちがこんなことになってしまって複雑な気持ちでしょうね。でも、美沙さんが寄り添ってくれて理恵さんはとても心強いはずです。
※ストーリーはフィクションです。 登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。 創作漫画としてお楽しみください。
原案:ママ広場編集部 脚本:船井秋 編集:石野スズ
作画:dechi
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