「忙しい」の一言で片付けず、自分にできることをやる

俺は、今までちひろにどれほど大きな負担をかけていたのかを痛感しました。本当はちひろが悩んでいたことも、疲れていたことも全部気付いていたはずなのに、忙しさを理由に見ないフリをしていました。会社では育児に理解ある上司なんて顔をしながら、一番大切な家族にちゃんと向き合えていませんでした。
ちひろは、自分の状況を話してくれました。それから、俺も今の自分の状況を話しました。「忙しい」の一言で片づけるのではなく、何がどんなふうに忙しいのか、何が出来なくて何だったら出来るのか、可能な限り細かく説明しました。すると、お互い「忙しい」という言葉で色々なものを省いてしまっていたことが見えてきました。

この時、ようやく俺たちはちゃんと話せたような気がしました。翌日、俺は早速上司に「保育園からの連絡先を自分に変更したいこと」「これからはもっと子どもと妻と向き合いたいと思っていること」を伝えました。

上司は俺を見て微笑むと「分かった、上にも話を通しておくよ、これから子育てを経験する社員の良い見本になってくれ」と背中を押してくれました。忙しいなか俺の申し出を快く受け入れてくれたこと、本当に感謝しかありません。

そして同じチームのメンバーにも、今後は子どものことで早退や有休を取ることが増えて、迷惑をかけてしまうかもしれないと正直に伝えたうえで「ご協力をお願いします!」と頭を下げました。すると返ってきたのは、「大丈夫ですよ先輩!もっと俺たちを頼ってください」「みんな先輩に助けてもらってるんです、当たり前ですよ!」という予想外に温かい言葉でした。

「・・・お前ら」後輩たちの温かな言葉に、思わず目頭が熱くなりました。なんだ、もっと早くにこうして話せばよかったんだ。誰かに迷惑がかかるとか、立場上自分が休むわけにはいかないとか、そんな思い込みで誰にも相談せず1人で抱え込む必要はなかったんだ。
自分が休めば誰かに迷惑がかかる、立場もあるし休むわけにはいかない、そう思い込んで全てを1人で抱え込んでいた良平さん。しかし実際は、そんなことはありませんでした。日頃から他の社員のために率先して動いてきた姿を、周囲はきちんと見ていました。だからこそ「今度は支えたい」と思ってもらえたのでしょう。理解されないと決めつけて殻に閉じこもるより、勇気を出して一度話してみること。それが状況を変える大きな一歩になるのかもしれません。
※ストーリーは実体験を元にフィクションを加えた創作漫画です。
登場人物や団体名は仮名であり、実在の人物や団体等とは関係ありません。
創作漫画としてお楽しみください。
原案:ママ広場編集部 脚本:のきわだ 編集:石野スズ
作画:マキノ
元気姉弟を子育て中の主婦。
SNSで育児絵日記を描いています。
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