子どもに「光ってみえた」「黒い点がある」と言われたけれど、もしかして飛蚊症や光視症と言われる病気?これって子どもでもかかるものなの?病院に行った方がいい?そんな疑問について、医療法人創光会理事長の倉員敏明先生にお伺いしました。

飛蚊症・光視症って、子どもでも起こるの?
「ピカッと光った」「黒い点が見える」と言われたとき、親が知っておきたい目と脳の話
「さっきまで目の前がピカピカしてたけど、もう消えたよ」
「黒い点がずっと見えるんだけど、動かないんだ」
もしお子さんからこんな言葉を聞いたら、『様子を見て大丈夫?それとも、すぐ眼科に行くべき?』と、不安になる保護者の方も多いのではないでしょうか。
実はこのような症状は、大人だけでなく子どもにも起こることがあります。
ただし、その原因は「目の病気」とは限らず、脳の働きによる一時的な現象であることも少なくありません。
今回は眼科専門医の立場から、飛蚊症・光視症とはどんな症状なのか、子どもの場合に注意すべきポイント、すぐ受診したほうがよいサインを、できるだけわかりやすく解説します。
文豪・芥川龍之介が見た「光」の正体
文豪・芥川龍之介の晩年の作品『歯車』には、次のような描写があります。
「僕の視野のうちに妙なものを見つけ出した。絶えず回っている半透明の歯車だった」
これは、「閃輝暗点(せんきあんてん)」と呼ばれる症状を、非常に的確に表現したものです。
閃輝暗点とは、ギザギザした光、歯車のような模様、キラキラした光の帯が突然見え、15~20分ほどで自然に消える症状です。これは「目の病気」ではなく、脳の視覚をつかさどる部分の一時的な血流変化によって起こります。光が消えたあとに強い頭痛が出る場合は「片頭痛」、頭痛を伴わない場合は「無頭痛性片頭痛」と呼ばれ、子どもや若い世代でも珍しくありません。
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